星河の覇皇
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第八十七部第四章 首相官邸にてその四十四
「支持があってこそです」
「政治家でいられます」
「有能である以上にです」
「人気ですね」
「これがないと」
即ち支持はないと、というのだ。
「選挙に勝てません」
「選挙に勝てなくては」
「政治家になれません」
「それが現実ですので」
金も述べた。
「韓国ではです」
「新日であるとですね」
「政治家になれません、官僚や軍人もです」
「表立って日本に好意的ならば」
「批判されます、経営者も」
企業を行うにしてもというのだ。
「日本と関係が深く日本に好意的とみなされると」
「批判されますね」
「そして企業のイメージが落ち」
そしてというのだ。
「商品もです」
「買われなくなりますね」
「タレントさんや作家さんは政治家と同じで」
こういった職業の者達はというと。
「人気が落ちて」
「CDが売れなくなり」
「本も買ってもらえなくなり」
「辛い状況に陥りますね」
「そうなります」
どうしてもというのだ。
「そしてよくある言葉ですが」
「消えますか」
「人気商売ですと」
「辛いことですね」
「それだけ韓国は日本に対して思うところがあるのです」
「千年前の歴史からのことだけではないですね」
「そもそも我が国は日本以上に上とです」
これは儒教的序列の考えによると言われている。
「思っていました」
「古来より今も」
「そうです、ですが」
「連合での地位はですね」
「日本の方が上で」
金は己の言葉を続けた。
「しかもです」
「さらにですね」
「はい、国力もです」
「日本の方が上だと」
「日本は連合屈指の大国です」
四大国とも六大国とも言われる国の一国である、その地位は相当なものである。そして国力も同じである。
「各国でも指導的地位にありますね」
「率直に申し上げますと」
小柳もこう返した。
「その自負はあります」
「左様ですね」
「ですが韓国は」
金は自国の話をした。
「連合の中で国力は高く」
「そして地位もですね」
「それなりですが」
「日本には負ける」
「はい、序列が下の国の筈なのに」
韓国人の考えではそうである筈がというのだ。
「しかしです」
「現実はそうであるので」
「どうしてもです」
「日本に対してですね」
「憤懣やるかたない思いを抱き」
そうなっていてというのだ。
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