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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜

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序章

第一部『闇の胎動』

闇がその目覚めを告げんとしている。暗き、深き淵から―――。
それまで光にその存在を遮られていた邪なる者達が再び甦らんとしていた。
闇はゆっくりと登ってきた。その動きが徐々に速まってゆく。同時にその暗さと邪悪さも増していく。徐々に。徐々に。
入口が見えてきた。闇は笑った。時が来たと感じた。光を消し去り己が闇で世を全て覆う時が来たと。
淵から這い出てきた。辺りを見回す。何も無い。誰もいない。自分のほかには何者も存在しないのだ。
今まで自分を脅かしてきた九つの光も闇が出て来た事をまだ知らない。闇は己が姿形を整えはじめた。
次に闇はかって自らの手足となって働いた者達を死の国より呼び寄せた。もう一度光と戦わせる為に。
次に闇は新たなる手足を創った。更なる力を得んが為に。
闇は勝利を確信した。そして笑った。今度こそ世は覆えると思った。
だが闇は気付かなかった。新しく創った手足の中に光があった事を。
その光は闇が気付かぬうちに離れ何処かへ飛び去った。
そして十番目の光となったのだ。



序章
~死闘へのプレリュード~

 かってショッカーという組織があった。世界征服をたくらみ全ての人間をショッカーの下に奴隷にせんと考えていた。その狂気の野望に賛同する者達もいた。かって名を馳せた軍人や高官、貴族、科学者等である。とりわけショッカーに入った科学者達の能力は高く独自の高度な科学力を有するに至り、それを基にして組織の基幹戦力となる改造人間を造り上げていた。動物や植物と人間を合成させたこれ等の改造人間の能力は凄まじくショッカーは全世界で猛威を振るうようになった。日本においても着々と侵攻計画を進めその中心となる大幹部として城南大学にその名を知られる天才科学者本郷猛に目を付ける。
 彼の恩師でもある緑川博士により改造人間となった彼は脳の改造手術を受ける直前に脱出、仮面ライダーとしてショッカーと闘う事になった。
 仮面ライダー=本郷猛の前にショッカーは多くの作戦を妨害され改造人間をはじめとする戦力を消耗させていった。この状況を打開する為にショッカーはライダー打倒の為武道の達人であるプロカメラマン一文字隼人を誘拐した。そして彼を第二の仮面ライダーに改造したのである。
 だがここで本郷猛が乱入してきた。彼により救い出された一文字隼人は仮面ライダー二号となり共にショッカーと戦う事となった。入れ替わりに日本、そして世界で活躍するダブルライダーにより大幹部であるゾル大佐、死神博士が倒れショッカーは壊滅状態に陥った。
 これに業を煮やした首領は最後の大幹部地獄大使の死を契機にショッカーに見切りをつけアフリカのゲルダム団と合併してゲルショッカーを結成した。この時に旧ショッカーの者達は粛清された。
 ショッカーより更に強力な改造人間達にダブルライダーは苦戦した。だが幾多の死闘をくぐり抜けてきた彼等はその力と技で次第にゲルショッカーを消耗させていった。切り札として投入したショッカーライダーも敗れブラック将軍の自らを囮とした最後の作戦も失敗に終わり首領はライダー達の目の前で自爆を宣言して果てた。
 だが首領は生きていた。新たな組織としてデストロンの設立を宣言し世界征服とダブルライダーへの宣戦を布告した。
 ここでデストロンは過ちを犯した。本郷の後輩でもある城南大学の研究員風見志郎に作戦行動を見られたのである。それが為に家族を殺され自らも瀕死の重傷を負った風見はダブルライダーに改造手術を受け仮面ライダーV3として復活したのであった。
 V3,そして一時生死不明となっていたダブルライダーによりデストロンの計画は頓挫してしまった。テコ入れにドクトルG,キバ男爵、ツバサ大僧正と次々に各国や結託部族から大幹部を投入するがことごとくV3の前に敗れ去ってしまった。
 遂にモンゴルからヨロイ元帥を呼び寄せる。残忍で非道な彼ならば必ずやV3を倒すと思われたからであった。
 だがその彼の性質がデストロンの運命を決定付ける事となった。デストロン科学グループにおいて俊英ぶりを遺憾なく発揮し、その能力と人望の高さから大幹部候補の筆頭と目されていた結城丈二が自らの地位が脅かされる事を恐れたヨロイ元帥により冤罪を着せられ抹殺されようとしたのだ。すんでのところで部下達に救出された結城は失った右腕に自らが作り上げたアタッチメントを付けライダーマンとしてヨロイ元帥、そしてデストロンに反旗を翻したのだ。
 当初デストロンに愛憎半ばする感情を抱きV3と反目していたライダーマンだったがその実情を知るにしたがい真の意味での正義に目覚めV3と共に戦うことになる。二人により追い詰められたヨロイ元帥はプルトンロケットにより東京を破壊しようとするがライダーマンの捨て身の行動により失敗、V3との決戦にも敗れ首領に処刑されてしまう。首領もV3に倒されデストロンも壊滅してしまう。これで首領は完全に死んだと思われた。
 当時世界は冷戦の中にあり日本は複雑な立場に置かれていた。その日本を倒すべく大国同士が水面下で手を握り合い結成されたと言われる組織があった。その名はGOVERMENT OF DARKNESS、通称ゴッド。この組織も優れた科学力を誇り、その頂点には総司令と呼ばれる存在がいた。総司令の正体は誰も知らなかったが日本人ではないかと噂されていた。
 ゴッドは優秀な科学者を集めんとしておりその中には人間工学の権威神啓太郎博士もいた。
 彼等は策略を用いて神博士を取り込もうとするが博士はこれを拒否、息子である水産大学の学生敬介と共に暗殺されてしまう。


 ゴッドの怪人と工作員が立ち去った後博士も敬介もまだ息があった。博士は息子の命を救うため彼を深海開発用改造人間=カイゾーグ、仮面ライダーⅩに改造したのである。こうして五人目の仮面ライダーが誕生した。
 父を殺したゴッドへの復讐に燃えるⅩライダー=神敬介はゴッドの改造人間達を次々と倒していく。これに危機感を覚えた総司令はゴッド第一室長として絶大な権限を持つアポロガイストを派遣した。彼は苛烈かつ非情な性質と百発百中の銃の腕前を持ち改造人間を力で抑えるとともに仮面ライダーⅩを討ち滅ぼすべく次々と作戦を発動していった。
 一度はⅩライダーに敗れるが復活し死闘を繰り広げる。だが残された時間が少ない事を知った彼はⅩライダーに最後の総攻撃をかけ自らも戦死する。
 次なるゴッドの大幹部は巨人キングダークであった。悪人軍団を率いる彼はRS装置をめぐりⅩライダーと争った。一度はⅩライダーを倒すがV3のマーキュリー回路により甦った彼は更に強化されており、完成させたRS装置も破壊されキングダークの内部に侵入を許してしまう。内部でⅩライダーは総司令の正体を知る。
 ゴッド総司令、それは神博士の友人であった科学者呪博士であった。彼は神博士への嫉妬、社会への不満から悪へと走りこのキングダークを動かしながらゴッドの総司令となっていたのである。
 ライドルスティックに貫かれた呪博士はキングダークと共に爆発する。博士の死をもってゴッドは崩壊したのである。彼の死後判明した事であるが呪博士の後ろにもう一人首領がいた。その人物はショッカー、ゲルショッカー、デストロンを操り死んだと思われていたあの首領だったのだ。
 ゴッドが倒れてすぐに首領はアマゾンの奥地にて古代インカの秘術を守護するバゴーに目を付けた。その高い秘術の元であるギギとガガ、二つの腕輪を狙った首領はインカの戦士ゴルゴスを唆し彼に反乱を起こさせた。ガガの腕輪を奪い秘術のいくらかを身に着けた彼は十面鬼ゴルゴスと名乗り新組織ゲドンを結成した。
 ゴルゴスはもう一つの腕輪であるギギの腕輪も狙っていた。だがバゴーはアマゾンでの飛行機事故から生き残り彼に育てられた日本人青年、アマゾンこと山本大介に改造手術を施し日本へ向かわせた。ゲドンも彼を追って日本へ向かった。
 日本でアマゾンはまさひこという少年と出会う。彼により仮面ライダーアマゾンと名付けられた彼はこの少年の『トモダチ』となる。彼の他にも多くの友を得たアマゾンは元気付けられゲドンに果敢に立ち向かっていく。
 アマゾンの野獣の如き強さに劣勢に追い込まれたゲドンは事態を打開せんとするがその悉くが失敗に終わる。やがて裏切りとアマゾンの急襲を受けゴルゴスは敗死しゲドンも滅んだ。
 これでガガの腕輪はアマゾンの手に戻るかと思われたが腕輪は ガランダー帝国の支配者ゼロ大帝のものとなった。
 パルティア王朝の流れをくむこの帝国はゲドンの獣人よりも更に強力な怪人をもってギギの腕輪の奪取、そして世界征服を為すべく行動を開始した。
 ゼロ大帝の指揮もありアマゾンとガランダー帝国はほぼ互角の死闘を繰り広げる。だが日本の三分の二を焦土としその跡地にガランダー帝国を建設せんとする計画をめぐりゼロ大帝とアマゾンが対決したいていは敗れガガの腕輪は遂にアマゾンの手に戻った。
 その圧倒的な力により帝国の中心部を破壊していくアマゾンの前に謎の人物が現われる。彼こそ帝国の影の支配者にしてゲドンをも陰で操っていた人物、真のゼロ大帝その人であった。彼もまた首領だった。
 大帝はアマゾンの前に倒れた。ガランダー帝国も滅亡しアマゾンライダー=山本大介はアマゾンへ帰っていった。
 首領はまだ生きていた。人の脳に入り己が意のままに操るサタン虫を使いその長を首領とし新たな組織ブラックサタンを創った。奇械人という独自の改造人間をもって世界征服に乗り出した。ライダー達に煮え湯を飲まされ続けていた日本には地底王国の末裔である一ツ目タイタンを大幹部として派遣した。
 奇械人を作るうえで失敗し死ぬ者もいた。その中に城南大学アメフト部のホープ城茂の親友もいた。復讐心に燃える彼は自らブラックサタンに志願し改造手術を受けた。そして忠誠を誓う宣誓式の場でブラックサタンに反旗を翻した。その時電波人間タックル=岬ユリ子と知り合う。そこで彼は自らを仮面ライダーストロンガーと名乗りタックルと共にブラックサタンと戦う事を宣言した。
 ストロンガーとタックルによりブラックサタン日本支部は壊滅状態に陥った。一ツ目タイタンが敗れるに及んで首領はゼネラルシャドウという男をタイタンの後の大幹部として雇った。
 執拗にストロンガーの命を狙うシャドウであったがここでブラックサタンはタイタンを復活させた。百目タイタンとして甦った彼波再びストロンガーと対峙することとなった。
 しかしこれが裏目に出た。タイタンとシャドウの二大幹部は最高幹部の座、そしてストロンガーの首を狙っていがみ合い、互いの作戦を妨害し合うようになった。度々窮地に陥っていたストロンガー達もこれに助けられ遂に宿敵百目タイタンを葬った。
 タイタンの市により最高幹部はシャドウとなる筈であった。しかし外様の彼を嫌った首領は軍団生え抜きであるデッドライオンを最高幹部とした。これに怒ったシャドウは組織を裏切り組織の秘密をストロンガーにリーク、ブラックサタンは首領と共に滅びデッドライオンも行方不明となった。だが城茂の顔は晴れなかった。首領の最後の言葉が気になっていた。もしや新たな組織が。
 彼の危惧は的中した。ブラックサタンを裏切ったシャドウが自らの本拠地である『魔の国』から改造魔人達を呼び寄せデルザー軍団を結成したのだ。
 かって人間達を恐怖のどん底に叩き込んだ伝説の魔物達の血を引く彼等改造魔人達はその強さにおいて他の組織の大幹部と比肩し得るものであった。またそれだけにそれぞれのプライドも高くまとまりには欠けていた。
 そのうえシャドウがストロンガーを倒したものが組織のリーダーになる事を決めた為軍団内のまとまりは更に弱まった。これは個々の争いを激化させ漁夫の利を得んとするシャドウの思惑もあったがそっれが為に軍団内ではストロンガーの首を巡ってそれぞれが血みどろの権力争いを演ずることとなった。これが個々の力ではストロンガーを凌駕していながらも倒すには至らず一人また一人と倒されていく要因となった。
 勿論ストロンガーも無事ではなかった。盟友タックルを失い自身のダメージも酷いものとなっていた。ここで元ブラックサタンの科学者により再改造手術を受けた彼は超電子の力を身に着けた。
 これにより形勢は逆転した。相も変わらず権力闘争を続けるデルザーの改造魔人達をストロンガーは超電子の力でもって各個撃破していった。気が付くと残るはシャドウ一人となってしまっていた。
 そこへ遅々として進まぬ作戦に業を煮やしたデルザー最大の実力者マシーン大元帥がエジプトから日本へやって来た。そしてシャドウから指揮権を剥奪すると自身の同志達を呼び寄せ一気に日本を制圧せんとした。
 だがそこに立ち上がる男達がいた。世界各国に散っていたライダー達が風雲急を告げる日本に戻って来たのである。
 Ⅴ3、Ⅹ、アマゾン、ライダーマン・・・・・・。一人、また一人とやって来る。デルザーとライダーの決戦の時が近付いていた。
 ここで大元帥派の行動を快く思っていないシャドウが彼等の作戦をストロンガーにリークした。その責任を問われシャドウはストロンガーと最後の一騎討ちをする事となった。
 シャドウは負けた。だがストロンガーも傷を負い捕らえられてしまった。しかしマシーン大元帥が伝説と一笑に付した一号、二号によりストロンガーは救出される。そして最後の決戦となった。
 デルザーは敗れた。マシーン大元帥も滅んだ。だがライダー達はそれが終わりではない事を知っていた。最後に控えるあの影を。
 影が出た。岩山を壊しライダー達の前に現われたのは巨大な岩石の巨人であった。巨人は言った。自分の声を知っている筈だ、と。
 そう、その声の主、それこそ今までライダー達が戦ってきた全ての組織の首領の声だった。今までの黒幕こそ目の前にいる巨人だったのだ。 
 その体躯を利用しライダー達に襲い掛かる巨人。だがライダー達もここで倒れるわけにはいかない。力を一つにし巨人の内部へと侵入した。そこで彼等は首領の真の姿を見る。
 ---それは巨大な脳髄に一つの眼がある不気味な生命体であった。ライダー達は一斉に攻撃を掛けんとする。
だが敗北を認めた謎の生命体ーー大首領は自爆して果てた。ライダー達の長く苦しい戦いの日々はようやく終わったかに見えた。
 世に光あらば闇もある。デルザー壊滅後名乗りをあげる新たな組織が現われた。その名はネオショッカー。最早伝説となっているショッカーの名を冠したこの組織の目的は地球の人口を三分の一まで減らし改造人間を頂点とする世界を築く事であった。


 その目的に従いネオショッカーは次々と行動を起こしていった。要人暗殺、破壊工作、細菌攻撃ーーー。世界は新たな敵を迎えんとしていた。日本とて例外ではなく辣腕をもってなる大幹部ゼネラルモンスターによりその準備は着々と進められていた。
 その一環として高名な科学者志度博士を拉致し利用せんとするが逃亡されてしまう。追っ手を差し向けるがその追っ手達は偶然通り掛かった青年筑波洋と遭遇する。この時彼は瀕死の重傷を負うが彼の心に打たれた博士は彼の改造を申し出る。それは認められた。手術は成功し後は脳改造を残すのみとなったが筑波は博士と共に脱出。空を駆るライダー=スカイライダーとして生まれ変わった。
 スカイライダーとネオショッカーは日本で激闘を繰り広げた。一敗地にまみれたネオショッカーはゼネラルモンスター自ら出撃しスカイライダーと雌雄を決せんとする。だが死闘の末ゼネラルモンスターも倒れた。
 彼の後を受けて日本に来たのは魔神提督であった。彼は世界各地から強力な怪人達を次々と呼び寄せ打倒スカイライダーを計る。次第に追い詰められていくスカイライダーだがここで思わぬ援軍がやって来た。
 世界各地に散っていた七人のライダーが窮地に陥っていたスカイライダーを助ける為日本に駆けつけて来たのだ。彼等の特訓により強化を果たしたスカイライダーは入れ替わり立ち替わり助っ人として現われるライダー達と共闘しネオショッカーをあと一歩のところまで追い詰める。魔神提督はライダーへ最後の策を仕掛けるが見破られ倒される。そして遂に首領がその謎のベールを剥がす時が来た。
 ネオショッカーの首領、それはB26暗黒星雲から飛来して来た巨大な宇宙怪獣にしてそれまでの全ての組織の真の首領だったのだ。ライダー達は果敢に攻撃を仕掛けるがその圧倒的な強さの前に為す術が無い。だが首領の弱点である左足の裏を攻撃し形勢は逆転する。
 敗色濃厚となった首領は地球とライダー達を道連れに爆死しようとする。だが八人のライダー達は力を合わせ首領を宇宙へと送り込み葬った。これで悪の首領は完全に死んだのであった。 
 この頃人類の宇宙開発はようやく第一歩を踏み出したばかりであった。宇宙での過酷な環境に対抗する為国際宇宙開発研究所は惑星開発用改造人間を生み出す事を決定した。コードネームはスーパー1.改造手術を受けたのは若き科学者沖一也であった。彼は自ら志願して恩師ヘンリー博士の手術を受けたのであった。惑星開発の為に博士は驚異的な身体能力と五つの特殊技能を持つ腕を授けた。
 スーパー1は極秘に開発されたのであるがその秘密を知る者達がいた。その名はドグマ。自ら闇の王国を名乗り帝王テラーマクロを頂点とする歪んだ選民思想に基づく世界支配が目的であった。
 スーパー1の力を得んが為ドグマは彼の身柄引き渡しを要求した。それを拒んだ博士をドグマは研究所もろとも抹殺した。しかし沖は博士の手により一人脱出に成功した。そしてドグマの打倒を決意するのだった。
 赤心寺で赤心少林拳を身に着けた彼はドグマの改造人間達を倒していく。相次ぐ敗戦に進退極まった最高幹部メガール将軍はスーパー1に一騎討ちを挑む。そしてその時彼の正体が解かった。
 彼の元の名は奥沢正人。宇宙開発に携わった科学者であり惑星開発用改造人間第一号となる筈であた人物だ。だが手術の失敗により醜い姿と成り果て人間社会に絶望、自殺寸前のところでテラーマクロに拾われたのだった。
 スーパー1と将軍の一騎討ちはスーパー1の勝利に終わった。しかし沖の心には強敵を倒した喜びではなく深い哀しみが残った。
 片腕メガール将軍を失ったテラーマクロは遂に自ら出陣を決意する。ドグマの神カイザークロウの血を浴び不死身となった彼は赤心寺を滅ぼしスーパー1に最後の決戦を挑む。だが弱点となっていた右肩に攻撃を受け息絶えた。スーパー1は師と仲間達の仇を取ったのだった。
 その彼に次なる敵が立ちはだかったその名はジンドグマ。テラーマクロと袂を分かった悪魔元帥が支配する組織でありその
下に魔女参謀、幽霊博士、鬼火司令、妖怪王女といった四人の大幹部が控えていた。
 四人のそれぞれ個性の異なる幹部が立ち替わりに部下の改造人間と共に作戦行動を行なうジンドグマ独特の戦法に
スーパー1も戸惑いを見せる。しかし彼は粘り強く闘い続けジンドグマの大幹部達を倒していく。
 悪魔元帥も自らの剣である稲妻電光剣で貫かれ敗北する。ジンドグマもここに滅亡したのであった。後に判明した事であるが悪魔元帥とテラーマクロはB26暗黒星雲より飛来した者達でありネオショッカーまでの組織を操っていた首領と何やら関係があったのではないかと言われている。
 今まで長きに渡って多くの悪の組織が名乗りをあげ世界を征服せんとその活動を行なってきた。その悪の力は強大であり邪なる知は絶大であった。しかしその度に新たなる仮面ライダーが世に現われ悪を打ち破ってきた。他のライダー達も世界のあらゆる場所で闘い邪悪なる野望を打ち砕いてきた。
 いつの世でも、どの様な状況においても仮面ライダー達は現われ世界を、人々を救ってきた。何故彼等が現われるのかは解からない。だがある人がこう言い残している。



 
 
  「時代が望む時、仮面ライダーは必ず甦るーーーーー」

 
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