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ハッピークローバー

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第百三十八話 肩と肘その二

「それでね」
「今もなのね」
「嬉しいよ」
「それは何よりね」
「呼ばれて」
 打ち上げをするからというのだ。
「飲みものあるなら持って来てッて言われて」
「来てくれたわね」
「これ持って来たよ」
 ペットボトルの一・五リットルの赤ワインが二本ある、それを見ながら一華に対して話したのだった。
「これでいいよね」
「充分よ、じゃあ二人でね」
「飲もうね」
「そうしよう、ただね」
 ここで一華はその赤ワインを飲みつつ言った。
「ヒロ君って何かワインよく飲むわね」
「意識してるんだ」
 達川も飲みつつ答えた。
「日本酒やビールは控えてね」
「あれ?痛風とかに気を付けて」
「日本酒は糖尿病でね」
「それでワインにしてるのね」
「赤だったり白だったりするけれどね」
 それでもというのだ。
「そこはね」
「意識してるのね」
「健康第一だからね」
 飲んでもというのだ。
「それでだよ、肩や肘だって」
「あっ、ピッチャーだし」
「気を付けてるよ」
「どっちも痛めたらまずいわね」
「野球出来なくなることも」
 達川は真剣な顔で言った。
「あるからね」
「やっぱりそうよね」
「特に俺ピッチャーだし」
「気を付けないとね」
「ピッチャーはランナーに出てもホームに飛び込むなって言われてるしね」
「昔だとクロスプレーとかで怪我するから」
「もう昔は体当たりなんて」
 キャッチャーへのそれはというのだ。
「駄目だしね」
「そこはちゃんとしないとね」
「それで肩も肘もね」
「気を付けてるのね」
「そうなんだ」 
 実際にというのだ。
「俺も」
「そういうことね」
「若し怪我したら」 
 その時はというと。
「本当に野球出来なくなるかも知れないよ」
「ピッチャーも大変ね」
「一番重要なポジションだけあってね」
「野球はピッチャーって言うしね」
「勿論ピッチャーだけじゃないけれどね」
「野手もよくないと」
「阪神がどうして強いか」
 十連覇を達成しているこのチームはというのだ。
「当然投手陣もいいけれど」
「野手の人達もいいわね」
「守備がよくて」
 そうであってというのだ。
「打線だってね」
「打ちまくるから」
「強いんだ、けれどピッチャーが一番重要で」
 このことは事実でというのだ。
「それでね」
「肩も肘も気を付けて」
「お酒もなんだ」
「ワインにしてるのね」
「俺はね、それにワイン好きだし」 
 笑顔で飲みつつ話した、もう二人共顔が赤くなってきている。 
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