オカママッサージ

「一体」
「悪くないと言うのか」
「そうです、法律に触れてもないですし」
　そうであってというのだ。
「あたしのスタイルはあたしが決めます」
「じゃあ俺が間違っているのか」
「少なくともあたしは先生みたいなこと言いません」
　男か女かなぞというのだ。
「男性も女性も同じです」
「オカマでホモでもか」
「織田信長さも女装しましたしそうした趣味もありましたよ」
「ああ言えばこう言うだな」
「事実です、それにあたし先生みたいに性別でどうか言わないですし」
「何っ！？」
「何っ、じゃなくてです」
　自分の言葉に怒りを見せた平雄にさらに言った。
「男か女かって言葉自体がです」
「それがか」
「差別です、そういうのないですよね」
「あるだろ」
「ないです、男女同権で」
　あくまでというのだ。
「平等。何してもいいじゃないですか」
「常識があるだろ」
「常識以前に法律に触れないならよくて」　
　法治を出して言うのだった。
「常識も人それぞれですよ」
「生意気な奴だ」
「生意気じゃなくて事実ですよね」
「まだ言うか」
「言います、むしろ先生みたいな考えで」
　女性蔑視でというのだ。
「今も生徒に暴力振るってますよね」
「指導だ」
「動力は暴力です、あたしは暴力は振るいません」
　絶対に、そうした言葉だった。
「何があっても」
「それで俺より上だっていうのか」
「上とかありません、事実です」　
　あくまでというのだ。
「それだけです、もうお話することはありません」
「くっ・・・・・・」
　平雄は歯噛みした、だがそれ以上は言えず。
　見れば彼を同窓会に出席しているかつての生徒達は冷たい目で見ていた、そして西脇の方に行っていた。
　そのうえで西脇によく言ったと声をかけていた、暴力教師はそれを見て尻尾を巻いて逃げるしかなかった。
　後日この教師が暴力と生徒へのセクハラ、学校の金の横領で逮捕されたと聞いて西脇はそうなの、で終わった。そしてだった。
　仕事に励んだ、そして生涯のパートナーも得て幸せに暮らしたのだった。


オカママッサージ　　　完


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０２４・７・２０