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魔法少女リリカルなのはエトランゼ(異邦人)改 再構築

作者:南條 綾
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1部 魔窟海鳴市
1章 始まりは突然に
  最終戦

「君」

「南條っ!」

「あやっ!」

 誰もが俺が切られたと思ったのが、皆さん大声で発している。
イレインが無表情のまま繰り出した斬り込みを、不可視の盾で防ぐ。
その弾き返しと共に、イレインは軽やかに後方へと跳び上がった。
アリサとすずかは、悲鳴のような声をあげながら、恐怖や絶望の表情を浮かべていた。
結構ガス欠。
恭也さんが入って来ようとするが、タイミングがつかめね異様だ。

「イ、イレイン何をしているッ!?小娘1人すら満足に殺せないのかッ!!この鉄屑メッ!!」

 流石外野はうるさい。今までイレインに守られてただけの氷村が、ヘタレパワー全開の言葉を発している。
吸血鬼って強いイメージがあるけれど、気のせいだったかな。
まぁ、コイツの力はもう充分分かった事だし……

また馬鹿の一つ覚えの攻撃が来たので、
シールドブレイクして、当たった瞬間に、
不可視の盾を壊してイレインの体を崩す。
そして一刀両断。

「はぁああああああああああああああああああああああああ」

「魔人(神)(まじんけん)


ドバァアアッ!!!

「はぁはぁはぁ」

 もう立つなよ。腹が串刺しにあったのでもう終わりにしてほしいぐらいだ。
BASTARDの四天王忍者マスターガラの必殺技だから終わりだろう。
ガラほど完璧じゃないにしても夕姫の炎込みだから大丈夫でしょ。
一刀両断の剣戟で、反対側のコンテナまで吹き飛ばした。
とりあえずイレインを吹き飛ばした俺は、信じられないような顔でいる氷村に体と視線を向ける。

「とりあえず、後は俺達に……」

恭也さんがそう言いかけた瞬間、がれきのほうガラ音が聞こえた

「死ねぇぇぇぇぇ!!クソガキィィィィィ!!」

がれきの山からダッシュでこちらに向かってきやがった

「な!?イレインッ!?まさか、感情の暴走かッ!?」

「まだ休めないのか!!」

うそだろ、炎込みの魔人(神)(まじんけん)食らって立ち上がるなんて。

ズシャァッ!!

 いやな予感がしたのでその場を離れたらムチが飛んできた。よく見ると電気が走っている。
ヒートロッドかよ。グフ形態かよ。
確かにガンダムより強いってネタを心で言わせてもらったが……
そのイレインの様子を見た恭也さん達は驚愕の声を出している。
チラッと振り返れば殆どの人間がそうだ。
他人事の様に考えつつ視線を前に戻して、
俺に怒りを向けるイレインを見据える。

「あたしの体をこんなにボロボロにしやがってッ!!バラバラに刻んで豚の餌にされるか、
生きたままジワジワと感電死するのとどちらが良いか選ばしてやるよ」

 確かにX指定が入りそうなほど服が破れてるね。
生前の俺なら良く見てたよね。スタイルが良い裸体なんて……
彼女がそう言うと、イレインは片手にバチバチとスパークを散らす。
鞭の様なモノを構えながらコンテナから這い出てきた。
もうSFではなくホラーだよこれじゃ。

「気をつけてッ!!ああなったイレインは更に強くなってるわッ!!恭也ッ!!」

「分かってるッ!!君ッ!!俺がイレインの相手を……」

「本当は変わって欲しいんですけれど……、向こうが許してくれそうも無いので、
変わる隙をついて攻撃されそう」

 実際に後大きな呪文を2.3使ったらもう限界まできそう。
体術を使っていたのもそれが理由なんだけど。
かといっても、変わってもらうのも難しい状況。
恭也さんがこちらに来たら向こうがお留守。
かといってこないならなぶり殺しって可能性が……。
やはり俺が対応しなければいけない。子供に本気になりすぎだよ。

「選ばせてやるか? 先ほどやられたおまえがそんな偉そうなこと言える立場なのかしら」

「――このあまぁああああああああああああああああああ!!!!!」

俺の挑発にイレインが激昂し、般若のような表情で俺に襲いかかった。
挑発に乗りやすいなぁ…
電気鞭をかわそうとした瞬間、
疲労からか足が沈みかけ、動けなくなった。

「ああっ!!」

綾が激しい電撃を受け、身体が焦げ臭い煙を立てる。

「なんじょ!!」

「あ、あやさん!?」

「きゃははは、まる焦げになった感想は?なんとかいってみろよ」

イレインが軽薄な言葉を投げかける中、ありさとすずかは黒焦げになった綾を見て泣きそうになっていた。

イレインが高笑いしながら、綾に殴りかかる。その瞬間、焦げた皮膚が剥がれ落ちる音がした。

「いたいなぁ」

 驚愕したイレインは後ずさりし、足をもつれさせて転びかけた。
普通の人間なら死んでいてもおかしくない状況だが、イレインもこの状況に困惑して座り込んでいる。俺はすぐに耐性(レジスト)の呪文を唱えていた。
服は焦げてしまった。これは、栞母さんが買ってくれたお気に入りの服だったのに。
よくもやってくれたな

「姿かたちが人間に出来ていても所詮はガラクタ。
よくもまぁここまで俺にしてくれたもんだ。てめぇはもう良い死ね!」

 俺の体は力が満ちていく感覚が広がった。

「ザーザード・ザーザード・スクローノ・ローノスーク」

 呪文の言葉が口から放たれ、魔力が宇宙を満たし、周囲の空気が揺れ動く。
イレインの表情は驚愕と恐れに満ち、その瞳が俺を見つめる。
まるで化け物でも見るかのように俺を恐れの表情で見ていた

「漆黒の闇の底に燃える地獄の業火よ…」

 俺の呪文は続き、その言葉は宇宙に響き渡る。魔法のエネルギーが周囲を満たし、空間が歪み始める。
イレインは再び立ち上がり、目には狂気と悪意が宿っていた。
我に返って俺に向かってきたがもう遅い

「わが剣となりて敵を滅ぼせ」

イレインの腕が振り下ろされ、鞭が俺に迫る。しかし、その前に俺は強く力ある言葉を発する。

爆霊地獄(ベノン)

 呪文が放たれると同時に、魔法のエネルギーがイレインを包み込み、爆発的な光とともに爆風が広がる。イレインの姿が吹き飛ばされ、鞭は消え去った。
その残骸は、焼け焦げた機械の骨組みとなって床に散らばった。
俺の魔法の一撃によって、イレインの姿は消え去り、部屋中には煙と焦げた匂いが漂った。そのまわりに散らばった機械の骨組みは、まるで地獄からの使者が訪れたかのように不気味に光り輝いている。
「くっ…この…このメスガキが・・・」
 
 一瞬イレインの声がどこからか聞こえ、部屋の中に響き渡る。
しかし、その声もやがて遠のいていった。

「なに~」

氷室は驚きうなっているが、そんなもの知ったこっちゃない。

『魔法の(マジックミサイル)

「逃げるんじゃねえ~」

俺は力ある言葉を使い、魔法の矢を出し、氷室に直撃させた。それは直撃を食らい、
煙幕みたいなものが広がった。その中から大きな蝙蝠が現れた。

「我々夜の一族は限りなく不死身だということを教えておいてやろう。
南條とやら、覚えておくがいい。私がどこに…ぐへぇ」

「こんな怪しい蝙蝠見たことねえぜ」

奴の会話を遮り、俺は大きな蝙蝠をラリアットで動きを止め、地面に叩き落した。

「さて俺も疲れた。お前がこうもりになってくれたおかげで非常に残忍で、お前好みのすごく鬼畜な呪文を思い出した。光栄に思え」

「い・命だけは…」

さすがにこの場で強がりはいえないらしい。

俺は呪文の詠唱を始めた。

「キー・オーブ・プラタ・ロー 蝙蝠の羽より来たれ 夜魔の王 我が爪に宿り 契約の効力となれ」

俺の手元に、暗黒のエネルギーが集まり、蝙蝠の姿をした魔力が浮かび上がった。
その魔力は俺の周りを取り囲み、恐ろしいほどの力を秘めているように感じられた。

「これはなぁ蝙蝠の皮膜が必要な呪文なんだが、丁度お前が蝙蝠だからいいよな食らいな。
よろこびな
貴様は滑稽で面白いからな、
貴様には自分の生死を選択する機会を与えてやろう」

「お前には人の情は無いのか!!」

 今更こいつは何を言ってるのか?
哀願したすずかに何をしたというのだ

「人の情?ねえな」

青爪邪核呪詛(アキューズド)

「この呪文はなぁ俺の命令に逆らったり、爪を外そうとするとその行為の度に応じて赤く変色していき、
最終的に爪が真紅に染まったとき呪いが発動し、対象は肉体を完全に破壊された上、
哀れな無力なヒキガエルに姿を再構成されるから覚えておけ」

魔力が青い爪に移り、その力が込められた瞬間、呪文の効果が彼の手元に感じられた。彼の周りの空気が凍りつき、暗い影が彼の意図を受け取った。命令に従わない者は、恐るべき結末を迎えることを知る事を本能で氷室は理解してしまった。

そう言って、俺は、蝙蝠の氷室を殴った。

「凄い……。」

「本当に、何者なの。」

「あのイレインや氷室を圧倒するとは…。」

上からすずか、アリサ、忍が感想を言ってくれた。

「ごめん、もう…」

俺が意識を放す瞬間、誰かが支えてくれた感触があったとこまでで限界にきてしった。



 
 

 
後書き
無事6話で完結長かった。
多分オリジナルより文字数が増えたと思います 
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