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魔法少女リリカルなのはエトランゼ(異邦人)改 再構築

作者:南條 綾
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1部 魔窟海鳴市
1章 始まりは突然に
  逃げる時は静かに逃げるのが一番なんだけどな

「なんだ?今の物音は?」

「き、貴様!どうやって?」

 音を聞き付けて多分見張りの人たちがやってきちゃったね。
そりゃそうなりますよね。
俺は下に無造作に落ちていた木の棒を走りながら掴んで、男に向かって鳩尾に攻撃をした。

「ぐらぁ!」

 気絶攻撃技 斗月(とげつ)
今回は上手くいったみたいだな。
当たり前だけど、気絶しない場合もある。
気絶しなくても痛いのには違いないのだけど。

「でも厄介なことになりそう」

「どういうことよ?」

「気づかれちゃったから」

「気づかれずになるべく立ち去りたかったけれど・・・」

 ある程度の人数ならなんとかなる。
俺自身チートだし、
ただ面倒な事にはあまり首を突っ込みたくなかっただけだし。
俺の言葉で二人は一斉に口を閉じた。
静かだな。
どうやらあそこで伸びてる人たち以外には気付かれていないようだ。
結構広い倉庫ってことはわかったぐらいか。

「ど、どうしようアリサちゃん・・・。」

「大丈夫。きっとすぐに助けが来るはずよ・・・。」

 事態が事態だからか、二人は弱々しい声を漏らしている。

「二人とも、ここで待っていてほしい。絶対に動かないでね。」

 偵察とここから脱出できるルートが見つかるか探しに行かないと、
コナンがいつも言う気持ちが本当にわかるよ。
コナンなら動くんじゃねーぞてめえら。
よく考えると彼の口調って汚いよね。
育ちがいいはずなのに。

「ちょっとお姉さん!?何考えてんのよ!?」

「そうだよ、きっとお姉ちゃんたちが探してくれるはずだから…」

 そうだよなぁ。
見た目俺も子供だしな
この状況では子供だろうと大人だろうと、普通に考えたら摘みゲーに近いし、
力があるなら使わないといけない。
またおやっさんに助けられる前に戻りたくない。
そして、お姉ちゃんが来たら人質が増えるだけでしょ。
でもとらハの女性陣は強い人が多いけれど・・・
確かそんな記憶がうっすらとある
力を持っている元男なんだから何とかしないとね。
お姉さんねぇ・・・多分口調や落ち着いてるからそんなふうに聞こえるんだろうな。

「多分まだ助けは来ないと思う。外の動きもいまだ無い。

 持ってても事態は悪化する可能性もある。
様子だけでも調べに行く
俺は、意外とすばしっこいから大丈夫だ」

 にっこりと安心できるように微笑む。
慣れてきたとは言え自己嫌悪してしまいそう。
まずは二人を安心させることが第一
発狂やヒスを起こしてもらっては困る。

「そ、それはでも・・・」

「なら絶対に無事で戻ってきなさいよ。」

「行ってきます。」

 俺は背中を見せVサインをして歩き出した。
俺の魔眼では助けはまだのようだし、ここで待っていても、
助けがくる前に女なんてものは、
最悪犯され殺される可能性だってある。

 それは目覚めが悪いな。
特に、偶然現場を見ちまった俺は口止めとしては殺される可能性もあるはず。
ここは普通の都市ではなく海鳴。
ゲームでは忍者がいたり、吸血鬼などがいたり、超能力者や霊能者、
そして魔法使いが生息する魔窟の都市なんだから余裕こいてちゃ危ない可能性もある。

 そのせいでこのような面倒くさい事にもなっているし…
いくら特殊能力が豊富でも使用回数が限られている今の自分には余裕をこいていることはできない。
一回呪文をこっそり使ってみたら、すごく体力や精神力が持ってかれる事はわかった事、
そしてこの特典をは、神経は以前と変わらないからどこまで意思を強くもって行えるかが、
今の勝負の鍵だと思う。
いくらチート技をたくさん持っていようが鍛えてなければすぐにガス欠を起こす事が先月わかったので、こっそり精神修行やらなんやらはしておいたのだが、いかんせんどれだけ使えるかはまだ分かってなかった。

 そして生き死にの戦いなら分が悪い。
殴る蹴るなら、格闘技をやっていたからまだ耐性のはあるが、
人を殺す可能性があることは、現代日本人には絶対に精神的ストレスが多くなり、
まぁ日本人に限った事ではないが
不利になることはわかっている。

 あっ、忘れていた。
見張りが来たせいで、すっかり忘れていた。
少し先ほどの少女のところまで戻った。

「そうそう、とりあえず縄だけ切っておくわね。」

 盗賊の7つ道具の一つで縄を切って、
これで自由になりました。

「どこから出したのですか?」

 たしか紫色の髪の毛の少女すずかが疑問を持って言ってきた。

「手品だと思ってくれたら良い」

詳しい説明はこの非常時に面倒だから、ありていに言っておいた
二人とも自由になった腕を軽く振ったりして、
異常がないかどうかを確認していた。

「ありがとう。」

 アリサと呼ばれていた女の子は、そっぽを向いてお礼を言ってくれた。
これがツンデレっていうやつなのか、初めて見た。

「本当にありがとうございます。」

「多分、痣とかはならないかもしれないが、マッサージなどはしておいたほうが良いぞ」

 ここからなら下は見えないから、魔法で偵察もできるけれど、
ここで戦ったらこの子たちもいるからめんどいし、守りながらは精神的にもストレスを感じるので下にに行ってゲリラ戦で戦うのが良いだろう

「無理しないでね」

「気をつけてください」

「はいはい、大丈夫だからそこで大人しくしてな」

俺は少し歩いてから扉が見えたので、力ある言葉を発した。

沈黙(サイレンス)

この呪文は、周囲の音を消す呪文で、扉の音が出ないようにする。
そして俺は扉を開いた。
部屋の外は、倉庫でもある場所だった。
多少、所々が老朽化して錆びている箇所もある。
使われなくなって何年もしているのかもしれない。
多分このつくりだったら、向こうに階段があるはずだ。
伊達に派遣で工場勤務をしていたわけじゃない。
大概作りってよく似ている。

「階段下に見張りはいない」

 気配を消しながら歩く技術が盗賊スキルにあるから、
こんな時は本当に役に立つ。
すこし様子を見ていると、向こう側から人の声が聞こえる。
容姿は外国人が多数で、会話も日本語じゃなくドイツ語か。

「さっきの娘たちどうするんだろうな」

「目的の娘は人質だが、あとの二人は何かにするんじゃないか」

「全部終わったら売るかもしれないしなぁ」

「その前に俺たちにも楽しみをくれないとなへへへ」

「ガキだが、結構な美人だし、背徳感があっていいよね」

 おいおいマジか?
全員10歳以下の子供だぞ?
わかってるのかこいつら。
日本人は童顔って言われてるからって無理があるわ。
ぞっとする考えを吹き飛ばしながら様子を見ていた。

 やはり営利誘拐の線か。
それから少しして下の男たちが離れていく。
やばいな。
時間をかけたらまじやばいな

 ドガンッ!

行き成り俺の後方から大きい音が後ろから聞こえてきた。

「何の音だ!!」

「調べに行くぞ!!」

 当たり前だが俺のミスではないな!!
嫌な予感がする。
こんなときの予感って当たるんだよな。
観念して後ろを向くと、
そこには愛くるしい2人の、。
女の子二人がそこにいた。
俺には一瞬小悪魔に見えてきた。
 
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