ドリトル先生と不思議な自衛官
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第五幕その二
「そうですから嬉しいです」
「そうなのですね」
「はい、それでお昼ですが」
堀与さんはそちらのお話もしました。
「カレーはどうでしょうか」
「海自さんだからですね」
「そうです」
先生に笑顔で答えたのでした。
「やはりです」
「カレーですね」
「美味しくて栄養があって身体も温まるので」
だからだというのです。
「こうした寒い時もです」
「最適ですね」
「そうですから、それと」
「それと?」
「今は毎週金曜日にカレーを食べますね」
「自衛隊全体でそうですね」
「昔は違ったんです」
こうお話するのでした。
「かつては」
「かつてはカレールーがなくて」
「多くのスパイスを調合してです」
「作っていましたね」
「手間もお金もかかったので」
「戦争前は、ですね」
「そうした状況だったので」
だからだというのです。
「毎週はとても無理なので」
「それで、ですね」
「時々でした」
「毎週は戦後からですね」
「技術が進歩して食事もです」
こちらもというのです。
「進歩して」
「カレールーも出来たので」
「そうなりました、あと卵もです」
こちらもというのです。
「昔はです」
「日本では高価でしたね」
「バナナと卵があそこまで安くなるとは」
堀与さんは少し苦笑いになって言いました。
「思いませんでしたが」
「そうでしたか」
「はい、ですがその卵もです」
こちらの食べものもというのです。
「昔は高くてアイスクリームでもです」
「使われていませんでしたね」
「若し使っていれば」
そのアイスクリームはというのです。
「高級でした」
「そうでしたね、戦前の日本では」
「卵焼きもオムレツもそうで」
贅沢なものだったというのです。
「大和ではオムライスが人気だったそうですが」
「カレーと共に」
「あまりです、特に下士官や水兵はです」
「そうは食べられなかったですね」
「今はオムライスも何でもないものですね」
「僕も好きで結構食べています」
先生はオムライスの味を思い出しつつお話しました。
「いい日本のお料理ですね」
「洋食の中のですね」
「よくあんなものを考え出してくれました」
こうまで言う先生でした。
「オムレツの生地の中にチキンライスがあって」
「その組み合わせがいいですね」
「最高です」
こう言うのでした。
「そう思います」
「それは何よりです。そのオムライスもです」
「かつてはですね」
「贅沢でした」
今は誰もが普通に食べられる食べものでもというのです。
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