FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
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最強ペア
前書き
気が付いたらちゃかさんのデータが完全になくなったのかヒーローズも見つけられなくなったんですが・・・
シリルside
「でさぁ」
「えぇ~、それはちょっとなぁ」
一夜明けた7月3日、今俺はレオンとこの日の大魔闘演武が始まる前に近況を語り合っていた。
「そういえばナツさんたちの容態はどうなの?」
「あ~・・・」
ある程度お互いの話しも終わりかけてきたところでレオンから不意な問いかけが飛んでくる。こいつもあの人の正体には気が付いているだろうし、それも踏まえた上での質問だったのだろう。
「まぁ・・・よくはなってる・・・のかな?」
傷自体はウェンディとポーリュシカさんのおかげで目立たなくはなってきている。ただ、それでも目を覚まさないところを見ると脳とかに影響が及ぶほどの攻撃を受けているのかもしれないのでなんとも言えない。
「ふ~ん・・・まぁ、あの人たちなら大丈夫だと思うけど・・・」
心配しているのかいないのかよくわからない反応を見せたレオンだったけど、こちらから外れていた視線を急に向けてきた彼に一瞬ビクッとなってしまう。
「このままだと妖精の尻尾の出場選手がいなくなるけど、どうなの?それ」
今大会は以前までの大会と異なり参加者の出場回数に制限がある。これによってよりギルドの連帯感や組織力が重要になってくるわけだけど、今回のうちの状況を見るとそれが大きな制約になっている。
「場合によっては何かしらの競技を棄権しなきゃかもだけど、なんとかなるんじゃない?」
「他人事だな」
こればっかりはどうしようもないことが重々承知なため彼になんと言われようがこうとしか答えられない。しかしグレイさんたちはどうするつもりなのかと考えていると、遠くからこちらに駆けてくる二人の少女の姿が見えたため、俺もレオンも立ち上がる。
「お待たせ!!」
「ごめんね、道に迷っちゃって」
息を切らせながらやってきたのはウェンディとシェリア。実は二人が気になる出店を見つけたとのことでそれを見て回っている間、俺たちはこうして話をしていたわけである。
「あれ?ラウルは?」
「三人なら途中でどこかに行っちゃったよ」
「自由だな、あいつら」
「あはは」
エクシードトリオは相変わらず仲がいいようで二人を置いてどこかに行ってしまったらしい。ただ、彼女たちには翼もあるし、心配しなくても客席に戻るくらいはできるだろう。
「さてと・・・めんどくさいけど行きますか」
「そうだね」
まもなく三日目が始まることもありレオンは立ち上がるとシェリアの手を握り、彼女もそれに答えるように指を絡ませる。あまりにも自然なその行動に俺とウェンディは感嘆の声を漏らしつつ、互いに顔を見合わせた。
「俺たちもいこっか」
「うん!!」
彼らを見習い俺たちも互いに手を取る。すると、歩き出そうとしていた二人がこちらに一瞥を送り、手を振ってきた。
「またね!!ウェンディ!!」
「それじゃ」
「うん!!またあとでね!!」
「じゃあね!!」
それに手を振り返し背を向ける。そのまま俺たちはジュビアさんたちが先に向かっているであろう待機場所へと手を繋いだまま向かうのだった。
レオンside
待機場所へと戻ってきた俺たち。そこにはすでにリオンくんたちも来ており、俺たちがどうやら最後だったらしい。
『それでは!!これより大魔闘演武三日目を始めていきます!!』
ちょうど定刻に来たようで実況の声が響き渡る。朝からこんなに大きな声を出せる彼の能力は高いものだと思いつつも、まだ眠たさが残るこちらとしては頭に響いてきて仕方ない。
『まずは競技パートを執り行います!!本日の競技パートは・・・』
会場中の魔水晶ビジョンへと全員が視線を移し、そこに映される競技名へと意識を向ける。
『奪取です!!』
「奪取?」
「奪うっこと?」
「名前だけ見ればそうだな」
何かを奪い合う競技ということなのだろうか?そのまま次に行われるであろうルール説明を聞こうと静かにしていると、ここで想定外の出来事が起こった。
『今回の競技の参加者は各ギルド二人となります!!それではこれより選出タイムに入ります!!なお、参加者は水着へと着替えて参加となります!!』
「「「「「!!」」」」」
これには全員が面を食らう。昨日まではあったはずの競技パートの事前説明がなく選手の選出が始まる。しかも慌てた様子もないことからこれが今回の台本であることがすぐに理解できた。
「ルール説明なし?」
「じゃあどうすればいいんですか?」
「今ある情報から考えるしかあるまい」
昨日までがルールが明確だっただけにこれは慌ててしまう。以前と変わらなくなったと言われればそれまでだが、やはりルールが事前にわからないと今あるわずかな情報だけが頼りになってしまう。
「何かを奪い合うゲームで・・・」
「参加者は二人」
「それで水着か・・・ん?」
二人の競技が今までなかっただけにこれまでとは異なる展開になるのは容易に想像できる。ただ、俺たちは最後のこの単語でトビーさんを除いた全員があることに気が付き、顔を見合わせしばらく沈黙する。
「まずいぞ、この競技」
グレイside
三日目の競技パート。その競技名が発表されてから選手選考に入ったが・・・
「ヤバイな、この競技」
俺は思わずそう呟いた。だが、隣にいる二人の妖精は俺の気付きがわかっていないらしく、眉間にシワを寄せている。
「何がまずいんだ?グレイ」
「雨女の水着が他人に見られるからか?」
「バッ!!ちげぇよ!!」
イヤらしい笑みを浮かべながらそんなことを言うガジルに顔を赤くしながら答える。いや、ジュビア関連のことであるのだが、別にあいつの水着姿を他人に見られたからって俺は焦ったりはしねぇ。
「じゃあなんだ?」
「この競技がヤバイんだよ」
「だから何がヤバイんだって」
二人はルール説明がされなかったことにばかり意識がいっているようで、チャパティのいった最後のセリフがどれだけまずい状況を生み出しているかわかっていないらしい。だから俺は分かりやすく順を追って説明することにする。
「水着でしかも二人選出だぞ?」
「絵面か?」
「「俺らを見て言うんじゃねぇ!!」」
エルザの失礼な物言いに思わず声が重なる。確かに俺とガジルが出たらそれはそれで揉めそうだが、今そんなことを言うわけがないのはわかってほしい。
「なら他に何が・・・!!」
「全くだ。問題なんて何も・・・!!」
そこまで来て二人もようやく気が付いたのか、目を見開いて顔を見合わせた後、二人揃ってこちらに視線を向ける。恐らくその気付きは俺と同じものだと考え、静かに頷いた。
第三者side
「まずいな、この競技」
数人の魔導士たちが気が付いているある問題。それに剣咬の虎でいち早く気が付いたのは影のドラゴンだった。
「何がまずいのだ?ローグ」
「シリルの水着が他人に見られるからか?」
「それもある」
(あるのか)
(あるのかよ)
(あるんだね)
(あるんですね)
(あいつの水着なんてロリコンしか興味ないゾ)
あまりにも平然と答えるローグに戦慄しつつも、彼がそれ以外に気が付いたことがあるようで全員が次の言葉を待っていた。
「だが、一番の問題はそれじゃない」
「じゃあなんなんだゾ?」
「水着という指定があることが問題なんだ」
「「「「「??」」」」」
含みのある言い方に五人は意味がわからずにいる。何か言いたげにも関わらずそれを真っ先に言おうとしない彼に痺れを切らしたミネルバが問いかけた。
「水着であることの何が問題なんだ?」
「水着ということはある程度ステージが限定される。その時問題になるギルドがあるだろ?」
「だからそれがなんなん・・・」
そこまで言いかけてオルガも彼の気付きがわかったらしく、そちらのギルドの方へと視線を向ける。全員がそれに釣られてそちらを見るが、その先にいるのは今話題に上がったばかりのギルドだった。
「やはり妖精の尻尾か?」
「水着ということは水に関係のあるステージなのは記憶しているが・・・」
「その場合はシリル様が出てきますよね?」
「二人だともう一人はウェンディ?」
シリルとウェンディのペアは高いコンビネーションを持っていることはどのギルドも理解している。だが、コンビネーションならどのギルドでもそれなりの者たちがいるためここまで慌てる要因にはならない。
「シリルのペアはウェンディじゃない。恐らく---」
ローグが核心を突こうとした時、それを遮るように実況の声が割って入った。
『あっと早い!!妖精の尻尾Bは選手選出が完了しました!!』
その声と共に全員の視線が彼女たちの方へと向く。そしてそこにいる水着姿の二人を見てようやく彼の真意に気が付いた。
『妖精の尻尾Bからはシリルたん&ジュビアのコンビだぁ!!』
「なっ・・・」
虹色のラッシュガードに赤色のサーフパンツで現れた少年と水玉模様にボトムがミニスカ仕様のビキニで現れる女性。二人を見た瞬間、魔導士たちの表情が一変した。
「そうか、あそこはあの二人がいるのか」
「そうだ。しかも実力もある上に得意なフィールドとなると相当辛いぞ」
水系統の魔法を使える二人が揃って出てくることに気が付いていた面々は水着という単語に引っ掛かっていた。そしてルール説明がないことによりその単語がより大きな意味が持つことも。
「関係ねぇよ。俺様の黒雷で---」
「待て!!」
しかし当然この強力なタッグにも弱点はある。そのうちの一つであるタイプ相性を利用しオルガが出ようとしたが、ミネルバに止められる。
「どうしたんだよ、お嬢」
「そう簡単にはいかないかもしれん」
「あん?」
ミネルバがなぜ止めたのかわからず困惑しているオルガ。他の面々も同様の反応ではあるが、彼女は彼らが納得行くように説明する。
「フィールドが仮に水と仮定した際、オルガの雷では全員が感電する」
「それはいいことなんじゃないんですか?」
「味方まで感電する可能性もあるんだぞ」
「「「「「あ」」」」」
水による感電率が上がれば当然耐性を持たない魔導士はやられてしまう。しかしそれは味方にも言えることのため、迂闊に彼を出すわけにはいかなかった。
「それにあの二人なら、水をうまく使ってそれを防いでくるかもしれん」
そうなってしまうと二対一となり一気に劣勢になりかねない。それを考慮してオルガの選出は見送られる。
「となると誰が・・・」
「ローグはダメだゾ」
「なんでだよ!!」
「シリルにお色気で負けるのが目に見えるからだゾ」
「うぐ」
恐らく最強と考えられるコンビの登場に浮き足出す面々。そしてそれはギルド最強と称される彼女にも言えることだった。
「これはどうすれば・・・ん?」
頭を悩ませていると不意に視線を感じ、そちらへと顔を向ける。その目に入ってきたのは何やらアイコンタクトを取ってくる一人の女性だった。
(ジェニー?一体・・・)
国王暗殺計画阻止の際に仲良くなった天馬の美女。そんな彼女が何を伝えようとしているのかを読み取ろうとしていると、次第にそれがわかってきて、不敵な笑みが溢れた。
「この勝負、妾とユキノが行こう」
「わ・・・私ですか?」
突然指名されたユキノは困惑を隠し切れずにいたが、明らかに何かを思い付いているミネルバの姿を見て覚悟を決めた。
「全く・・・相変わらずらしい攻め方を思い付くな、あいつは」
ジェニーside
「シリルちゃんとジュビアさんか」
「水ステージじゃ二人に敵うとは思えないね」
「どうすんだよ、これ」
隣にいる三人は妖精の尻尾から出てきた二人を見て頭を抱えている。確かに普通に戦ったら絶対に勝てない二人よね・・・
「せめて何か隙を作れればいいのですが・・・」
「そんなこと言ってもねぇ・・・ん?」
シェリーも三人と同意見のようで頭を抱えている。どうすればいいのかしら、と思っていたところ、私は一つあることに気が付いた。
「そういえばシリルって一応男の子なのよね?」
「自称はそうですわね」
事実かはさておきもしこれが本当なら一つだけ狙い目がある。しかも参加者はこのゲーム二人!!そしてうちにいるのもちょうど二人!!
「でも二人だけじゃ心許ないわね・・・」
自信はあるけどより確実性を増しておきたい。そうなると仲間が必要だけど、なんかいい人は・・・
「あら?」
恐らく私たちと同じように対策に困っていたと思われるミネルバと目が合う。彼女なら意外とと思いアイコンタクトを送っていると、理解してくれたらしく隣にいるユキノへと声をかけていた。
「シェリー、私たちでいくわよ」
「え?あの二人に私たちで?」
自信なさげなシェリーだけど問題ないわ。この作戦ならきっとうまくいくはず。
「狙いは一つ、シリルだけよ」
ニッと笑みを浮かべてシェリーと共に水着へと着替えるためにその場を離れる。きっとあの子相手ならうまくいくと思うわ。
グレイside
「よりによってあの二人かよ」
「どうする?エルザ」
予想通りのコンビの登場に面を食らう俺たち。そしてエルザもこれには困っているようで腕組みをしている。
「雨女ならお前か?」
「ゲッ!!絶対ぇヤダよ!!」
ガジルからの恐ろしい提案に思わず声が出てしまう。ジュビアもイヤだがシリルの相手もやりにくすぎて、相手有利なフィールドであることを差し引いてもやりたいと思えるわけがない。
「しょうがねぇ。ガキが出るなら俺がいくか」
ただ、ガジルだけはやる気に満ち溢れているようだ。最近シリルからナメられているからかあいつへの対抗意識が高くなっているらしい。
「待て」
しかしそんなやる気満々の男をエルザが止める。
「どうしたんだよ」
「文句あんゴバッ!!」
いまだに出番のないことで苛立ちが隠しきれなくなっているガジルがエルザに迫っていくが、そんな彼を拳一つで黙らせる彼女に言葉を発せなくなる。
「ここは他のギルドと協力しよう」
「協力?」
「あぁ」
頭にデカイたんこぶを作ったガジルと目が合うが、彼も彼女が何を言っているのかわからないようでリアクションが取れない。それに気が付いていないのか、彼女は真っ赤な水着へと換装すると俺たちに指示を出す。
「リザーブ枠を・・・リサーナにするか、呼んできてくれ」
何かあの二人への対抗策があるのか、その表情には自信が見て取れる。だが、同時にロクなことを考えていないようにも感じられ、本当に行かせていいのか迷ってしまう自分もいた。
ソフィアside
『青い天馬からはジェニーとシェリー!!剣咬の虎からはミネルバにユキノ!!妖精の尻尾Aからはエルザとリザーブ枠にリサーナが参加だぁ!!』
『COOL!!』
次々に参加者が決まっていく他のギルド。それを聞くたびにソフィアの目は輝きを増しているのは言うまでもない。
「ミネルバとエルザが出てくるのか」
「そりゃあシリルとジュビアじゃね」
「むしろこれでも足りないくらいだよ」
水着に着替えての参加と言うこともあり水に関連する何かがあるのは言うまでもない。ただそのおかげで今回は本当に最高のメンバーたちが選ばれているのかもしれない。
「・・・」パクパクパク
「はいはい、残念だったね」
「もうカグラちゃんは出れないからね」
ワクワクが止まらないソフィアとは正反対で陸に打ち上げられた魚のように口をパクパクと動かして言葉にならない感情を表現しているのはカグラさん。まさかこのタイミングでシリルとさらにはエルザさんまで出てくるとは思っていなかったらしく、二人との再戦を楽しみにしていた彼女にとって非情すぎる状況になっていた。
「うちからは誰が出る」
「はいはい!!ソフィアが行きます!!」
真っ先に手を挙げるソフィア。だってこんなに最高のハーレムタイムが来ることなんて今後ないかもしれないもん。ここは何がなんでも参加してみせる!!
「ソフィアならシリルへの相性もいいし適任か」
「もう一人はどうする?」
揉めるかと思ったけど相手がシリルとなればソフィア以外にはいないよね、と皆の中でも感じていたらしい。そしてもう一人は実はソフィアがいい人がいるんだよね。
「はいはい!!リズリーさんにしてほしいです!!」
「え?あたし?」
不意に指名されたことで困った表情を見せるリズリーさん。だけど、前から試してみたいことがあったし、それができたらソフィアの役得度がさらに上がるからね。ここは是が非でも出てもらわないと。
「ふっふ、楽しみだなぁ、ハーレムタイム」
レオンside
「頑張れよ、シェリア、サクラ」
「うん!!」
「お任せください!!」
リオンくんからの声援に以前ウェンディからもらったチューブトップのビキニに身を包んでいるシェリアが力強く頷き、ワンピース型の少女らしさが見える水着を着ているサクラが敬礼して応える。
「すまんな、レオン」
「いや、しょうがないよ」
シリルが出てきたとなれば俺も出るべきかと思ったけど、あいつと俺がやり合ったらお互いにただじゃ済まない。そうなるともしこの直後に狩猟豹の頭とのバトルパートになった時俺が出れない可能性がある。それだけはなんとしても避けなければならない。そうなるとやはり適任は以前の大会でも水中での戦いを経験しているシェリアとシリルに弟子入りしてたおかげで彼のことをよく理解しているサクラとなるわけだ。
「問題はあいつらだな」
「あぁ。どうやらまだ出場機会のないあの二人のようだが・・・」
そして気になるのはやはり狩猟豹の頭の動向。まだ選手選出まではしていないが、すでにシェリー姉やジュビア姉に負けないほどのスタイルを見せている女性陣二人が水着になっていることから、彼女たちが出てくるのは間違いないだろう。
「あの二人は誰だ?」
「俺たちの知ってる奴らか?」
昨日までの参加者は恐らく俺たちが把握している人間たち。いまだにデータがないのはあの女二人と一日目バトルパートに選ばれながらも出番がなかった青年。
(どう動いてくる?)
第三者side
「やっぱりあの子が出てきたわね」
「狙い通りね」
真っ黒なビキニに身を包んだ金髪のショートヘアの女性とどこか和風のようにも見える布地のビキニを身につけた金髪のロングヘアの女性たちはターゲットである水髪の少年を見据えながら準備運動を行っている。
「ここまでは予定通りだが、今回はあいつの得意フィールドになっている」
「問題ないわ。私はね」
「私だって大丈夫よ!!」
ロングヘアの女性に噛み付くように応えるショートヘアの女性。それに対し欲しかったリアクションだったのか、ロングヘアの女性は楽しそうに笑っていた。それを見て長身の男は呆れたようにタメ息をつきながらも、すぐに頭を切り替える。
「なら行ってこい、セレーネ、ディマリア」
「ええ」
「了解」
本名で呼ばれた二人は気合い十分といった様子で闘技場へと降り立つ。待機場所に残された二人は一抹の不安を感じながらも、それが意味のないものであることがすぐにわかったようで考えるのをやめたのだった。
シリルside
『全ギルド参加者が決まりました!!そしてこれは素晴らしい!!各ギルド女性たちが水着で参加だぁ!!』
『COOL!!』
なんだか以前にも見たことがあるようなチャパティさんの実況と本日のゲストであるジェイソンさんの甲高い声が響き渡る。
「一応俺らもいるんだけどな」
「ワイルドォ・・・」
そんな中後ろからそんな声が聞こえてくる。一応俺も男なんだけど、いつものようにカウントされてないんだろうなぁと悲しい思いをしつつこれから行われるであろうルール説明に耳を傾ける。
「隣失礼」
「邪魔するぞ」
すると突然両脇から腕を捕まれ柔らかいものを押し付けられる。何かと思ってそちらを見ると、そこにはジェニーさんとミネルバさんが異様なまでに身体を寄せているのが見えた。
「へ?」
何が起きているのかわからない俺は間抜けな声が出る。俺はこの時、すでに包囲網が敷かれていることに全く気が付いていなかった。そしてそれに気が付いた時にはすでに遅かったことにも・・・だ。
後書き
いかがだったでしょうか。
今回の競技は2話か3話くらいかかるかもしれません。
やりたいことがたくさんあるので・・・
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