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オズのカリフ王

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第十幕その十

 そうして皆に絵画を紹介していきます、そこは本当にとても素敵な絵それに彫刻ばかりでした。そうしたものを観てです。
 皆沢山のものを学びました、そして他の浮島のお城でもです。
 沢山のものを見て沢山の天使さんにも会いました、その中には四枚の翼に金属の足そして人と鳥、牛、羊の四つの頭を持つ天使さんもいました。
 その天使さんを見てです、ジョージは言いました。
「ケルビムですね」
「そうだよ」
 その天使さんから明るい返事が来ました。
「わしはその立場の者だよ」
「そうですね」
「天使の中でも」
 まさにというのです。
「特に独特な姿をしているね」
「選書を読んだ時から思ってました」
 ジョージはこう答えました。
「はじめて読んだその時から」
「そうだよね」
「何か今思うと」
「どう思うのかな」
「結構ロボットみたいなところありますね」
「ははは、わしはロボットじゃないよ」
 ケルビムさんは笑って否定しました。
「それは金属の足だからだね」
「そうでした」
「しかしわしはれっきとした天使でね」
「生身の身体ですね」
「そうだよ、ただ機械の身体でも」
「人間ですね」
「それを言ったらブリキの樵さんやチクタク氏は」 
 その彼等はといいますと。
「どうなるか」
「そうですね」
「どんな身体でも心があれば」
 人間のというのです。
「その人はだよ」
「人間ですね」
「紛れもなくね」
「だからケルビムさんは天使であって」
「そして人間だよ」
「そうですね」
「このお城で神様と主にお仕えして生きている」
 そうしていてというのです。
「オズの国の人だよ」
「そういうことですね」
「そうだよ、あと君達はちゃんと食べてるかな」
 ケルビムさんはお空を飛びながらジョージに丁寧な声で尋ねました。 
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