オズのカリフ王
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第六幕その四
「乗ってみたいのう」
「あっ、ワイバーンにですか」
「ドワーフ王もですか」
「乗ってみたいですか」
「竜騎士さん達みたいに」
「そうしてみたいですか」
「そう思った」
ジョージ達に真剣なお顔で答えました、目はきらきらとしています。
「今な」
「いいですよ」
騎士団長さんが笑顔で答えてくれました。
「何でしたら」
「よいのか」
「はい、乗られたいなら」
「そうなのか」
「しかしじゃ」
ノーム王がここでドワーフ王に言いました。
「わし等は馬には乗れるが」
「地下におるな」
「しかしワイバーンはな」
「乗れぬな」
「自転車や車に乗れてもな」
それでもというのです。
「しかしな」
「馬に乗るのともな」
「ワイバーンに乗るのは違うぞ」
「空を飛ぶからのう」
「簡単ではないぞ」
こう言うのでした。
「やはりな」
「そうじゃな、では無理か」
ドワーフ王はノーム王のお話を受けて残念そうに言いました。
「ワイバーンに乗るのは」
「いえ、落ちたりしないですから」
団長さんは残念そうなお顔になったドワーフ王に微笑んで答えました。
「ただ乗ってお空を飛ぶ位ならです」
「大丈夫か」
「ワイバーンの方で安全に飛んでくれるので」
だからだというのです。
「そこは馬と同じで」
「安心してよいか」
「鞍に跨り」
そうしてというのです。
「手綱を握って足場もしっかりしていますと」
「馬と同じか」
「オズの国の馬具は着けているとです」
それならというのです。
「魔法の力でしっかり守ってくれますね」
「落馬することはない」
「それはワイバーンのものも同じです」
「馬具ではなく竜具になるか」
「はい、そちらはです」
完全にというのです。
「安心してです」
「乗ってよいか」
「速く飛ぶと流石に馬術ではなく」
「竜術じゃな」
「乗馬ではなく乗竜なので」
そうなるからだというのです。
「そちらのです」
「技が必要か」
「落ちることはなくても」
竜具の力でというのです。
「しかしです」
「そうした場合はか」
「ですが普通に乗って飛ぶ位なら」
それならというのです。
「これといった竜術のテクニックもです」
「いらんか」
「はい、ですから」
「乗ってよいか」
「そうして下さい」
「それならな」
ノーム王は団長さんの言葉を受けて笑顔で頷きました、そしてです。
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