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ドリトル先生と山椒魚

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第十一幕その七

「学んで書いてね」
「そうしていって」
「それでよね」
「本当にいい」
「先生の楽しみの一つだね」
「はじめた時のやろうかって気持ちも好きで」
 最初のそれもというのです。
「そしてだよ」
「書いている最中のね」
「どんどん学んで書いていく」
「それも好きで」
「今もだね」
「終わりが見えてきてね」
 そうしてというのです。
「そしてだよ」
「そのうえで終わらせる」
「その終わった時こそだね」
「これまでで最高の気持ちになる」
「そうだよね」
「ものをやり遂げた時こそね」
 まさにというのです。
「最高だよね」
「よく言われるけれど」
「先生もそうだね」
「だから論文は必ず脱稿する」
「書き上げる様にしているのね」
「そうだよ、終わりが見えてきたなら」 
 それならというのです。
「是非だよ」
「このまま書いていくね」
「そうするね」
「それじゃあね」
「先生頑張ってね」
「その論文も最後まで書いてね」
「そうするよ」
 皆に笑顔で応えてでした。
 先生は終わりが見えてきた論文をさらに書いていきます、そうしていってこの日はお家に帰る時間まで論文を書いてです。
 その後でお家に帰りましたがそこではです。
 次の論文の用意に入っていました、お家に来ていた王子はその先生を見て言いました。
「先生今度は何の論文を書くのかな」
「うん、日本の近現代の文学でね」
「そこでのなんだ」
「そうなんだ、井伏鱒二さんの論文をね」
「書くんだ」
「その用意をね」
 それをというのだ。
「今からね」
「進めているんだ」
「僕は常に論文を書いていないと」
 さもないと、というのです。
「どうもね」
「よくないんだね」
「学者は論文を書くものだから」
 それでというのです。
「今はオオサンショウウオの論文を書いていて」
「それが終わったらね」
 その時はというのです。
「もうすぐにだよ」
「井伏鱒二さんの論文を書くんだね」
「そうするよ」
 こう王子にお話します。
「その時はね」
「成程ね、先生は頑張ってるね」
「そうかな」
「いや、日本ってまともに論文書かない学者さんなんてね」 
 王子はそれこそとお話しました。
「結構いるからね」
「学者さんだけれどだね」
「それで碌に学問をしないで」
 そうしてというのです。
「テレビでとんでもないことばかり言う人もね」
「いるね、確かに」
「何でも三十年近くね」  
 それだけの間です。 
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