ドリトル先生と山椒魚
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第十一幕その六
「けれどね」
「それでもなんだよね」
「実はナポリにこうしたスパゲティないから」
「トマトを使うものは沢山あっても」
「ケチャップを使うとなると」
「ないのよね」
「そうだよ、日本で生まれた」
そうしたというのです。
「独自のスパゲティだよ」
「そうだよね」
「実は」
「何かアメリカのスパゲティの影響を受けて作られた」
「そうしたものらしいね」
「だからね」
それでというのです。
「ナポリ、イタリアの人が聞いてだよ」
「ないって言って」
「それで食べてみたら美味しい」
「そうだっていうんだよね」
「これが」
「そうなんだよね、それでね」
先生はそのナポリタンをさらに食べつつ言いました。
「僕も大好きだよ」
「日本ではじめて食べたけれど」
「それでもだよね」
「美味しいんだよね」
「これが」
「そうなんだ、美味しくてね」
食べてみてそう感じてというのです。
「こうしてだよ」
「時々食べてるね」
「そうしてるわね」
「それも楽しんで」
「そのお味を」
「イギリスもパスタはよく食べる方だけれど」
それでもというのです。
「けれどね」
「それでもだよね」
「本当にイタリアにはなくて」
「イギリスにもなくて」
「日本に出会って」
「嬉しいよね」
「全くだよ、日本のお料理には感激するばかりだよ」
食べつつ言うのでした。
「常にね」
「そうだよね」
「それではだね」
「今も食べて」
「それからだね」
「また学問に励むよ」
こうお話してでした。
先生はナポリタンも楽しみました、そしてです。
その後で、でした。先生は実際に研究室に戻ってそのうえでまた学問に入りました。そうしてでした。
論文を書いてです、一緒にいる皆に言いました。
「オオサンショウウオの論文もだよ」
「終わりそう?」
「終わりが見えてきた?」
「そうなの?」
「うん、学んで書いていって」
そうしていってというのです。
「遂にだよ」
「今回の論文もなんだ」
「終わりが見えてきたんだ」
「そうなってきたんだ」
「どんな論文も書いていけばね」
それを続けていけばというのです。
「必ず終わるよ」
「そうだよね」
「どんなものでも終わりがあって」
「論文だって同じよね」
「書いていけばね」
「終わりが近付くね」
「そうなるよ、やっぱり論文はいいね」
書いていてとです、先生は笑顔で言いました。
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