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イベリス

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第八十七話 純文学は娯楽かその八

「面白くてためになるなら最高でしょ」
「そうよね、哲学書が一番上とか思っていたけれど」
「別に哲学書読まなくても生きていけるでしょ」
「それはね」
「まあどんな本もそうだけれどね、極論すればね」
「読まなくても生きていけるわね」
「私は読まないと生きていられないけれどね」
 同級生に笑ってこうも話した。
「やっぱりね」
「咲っちはそうよね」
「漫画にライトノベルにね」
「それで今は純文学もなのね」
「そうした本を読まないと」
 さもないと、というのだ。
「どうしてもね」
「駄目よね」
「あとゲームもね」
 こちらもというのだ。
「インターネットもね」
「完全に現代文明ありきね」
「そうね、現代文明でないとね」
「咲っちは生きていられないのね」
「漫画読んで」
 そしてというのだ。
「ラノベに文学読んで」
「神話もね」
「それでゲームとネットしないと」
 さもないと、というのだ。
「駄目よ」
「生きていられないのね」
「私はね、それで本を読まないとよ。けれど哲学書はね」 
 こちらはというのだ。
「どうしてもよ」
「読まないのね」
「そうなの。というか哲学書って面白いかしら」
「面白いって思う人には面白いでしょ」
 同級生は咲に少し考える顔になって答えた。
「面白いかどうかって感じるのは人それぞれだし」
「それでなのね」
「そう、だから哲学書もね」
「面白いって感じる人もいるのね」
「それで読む人もいるんでしょ」
「そうなのね」
「ええ、ただ私はね」 
 同級生は自分の考えも述べた。
「神話は読んでも」
「哲学書はなの」
「多分だけれどこれからもね」
「読まないのね」
「そうなると思うわ」
「そうなのね、まあ私もね」
 咲も自分のことを話した。
「哲学って頭固くて難しいことばかり言う」
「そうしたものだっていうのね」
「そう思うから」
 だからだというのだ。
「読むことはね」
「ないのね」
「そうなるでしょうね」
 こう同級生に話した。
「これからも」
「それで困るかっていうと」
「ないでしょ、哲学書を読むなら」
「純文学とか神話をなの」
「読むわ、楽しく読んで」
 面白いものをというのだ。
「学びたいわ」
「それがいいわね、それで音楽も」
「娯楽だしね」
 軽音楽部の彼女に話した。
「それでよ」
「いいと思った曲聴けばいいのね」
「演奏もしてね」
「じゃあ私ロックとかポップスだけれど」
 自分が演奏するジャンルはというのだ。 
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