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魔法少女リリカルなのは 小さい頃から時空管理局に勤めていた少年

作者:stk
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消えた書類と下部隊

『緊急事態です。現在、ホテル、アグスラグナで機動六課が戦闘をしているのですが、背後に二名の魔導師を確認しました。念のため映像を上映します。』
部隊長室にいる僕は、一人指令室にいるオオカリ二佐から送られてきた映像を見ていた。
「ゼスト隊長。どうしてこんなところに?」
映像に映っていたのは僕の一番尊敬する人物でもあるゼスト・グランツであった。
ゼスト隊長はジェイルと仲が良くは無いのであるが、レリックの回収には協力しているみたいだと言うことはしっていた。
「オオカリ二等陸佐。この部隊に保管しているレリックを全て持ってきてください。」
『どうしてですか?』
「前回の会議の時に言われた事をするだけだよ。」
『了解しました。現在この部隊の保管数は8つですので、その全てを今から持っていきます。』
「ちょっと、」
オオカリ二佐の言おうとしたことを聞かないまま通信を切ってしまった。
僕は3つくらいだと思っていたので、ビックリした。
それならば、持っていく数を4つに減らそうと考えたのだが、それを伝える前に切られてしまったのだ。
そして僕は交換条件で戦闘機人のチンクとオットーを部隊に貸して貰おうと考えている。
その理由として、この部隊が絶対に機動六課と敵対するから。
それならばジェイルの戦闘機人を借りた方が良いと考えた。
なんなら売ってもらおうかな?
それは冗談にしておき、絶対に借りよう。
「失礼します。准将、レリックを持ってきました。」
オオカリ二佐がアタッシュケースを持ってきた。
「オオカリ二等陸佐、中にあるレリックを半分ほどだけ此処に置いておきます。」
僕はアタッシュケースからレリックを4つほど、僕の机の中にしまった。
「それでは行っってきます。」
「待ってください。どうやって行くのですか?」
僕は車で行くことを考えていたが、
「スクライア二等陸士に転移してもらった方が早いのでは?」
「それではスクライア二等陸士に迷惑では?」
「そんなことないです。」
ドアの外からスクライア二士の声が聞こえた。
「スクライア二等陸士も行っているんですから。」
「そうですね。スクライア二等陸士、入って来てください。」
僕は外にいるスクライア二士を中に呼んだ。
スクライア二士は既にバリアジャケットを纏っていた。
「スクライア二等陸士、ジェイルの研究所(ラボ)まで転移をお願いします。」
「わかりました。」
僕は地図をスクライア二士に見せた。
「それでは行きます。」
スクライア二士は魔方陣を展開して、転移の準備をした。
転移魔法を使えるのはこの部隊ではスクライア二士だけであった。
そして一瞬だけ光に包まれたと思ったが、すぐに見覚えのある風景になった。

「准将、到着です。」
僕はスクライア二士を連れてジェイルの所に行こうとしたが、
「あらー、ミライではありませんか。わざわざレリックを届けに来てくれたんですの?」
僕が一番苦手なクアットロに会ってしまった。
その隣にはディエチがいた。
「スクライア二等陸士、合図したら此処に転移をしてくれ。」
僕はスクライア二士に小声で言いながら、紙を渡した。
その紙には、此処の見取り図が載っていた。
「それとも反逆ですか?」
僕はクアットロの言動に流されないように、なにも返事をしなかった。
「そうですか。では実力行使でいくとします。」
今だ。
僕はそう思った。
「スクライア二等陸士。」
「はい。」
僕たち二人は見事にジェイルのいる部屋についた。
そこには誰一人護衛がいなかった。
「ジェイル。今日は交渉に来ました。」
「交渉?私と何を交渉するのかね?」
僕はアタッシュケースと一冊の本を見せた。
「それは!」
「これは古代ベルカに纏わる重要な資料。正確にはそのコピーですが、チンク達が盗んだ資料から考えてこれも必要になると考えました。」
僕は本を見せながらジェイルに告げた。
「条件は?」
ジェイルがのってきたので、僕は当初の目的通りに、
「僕の部隊の戦力を上げるために二人ほど貰いたい。」
まずは名前は出さないでおいた。
「そう言うことか。それは困るな。」
「これでもですか。」
僕はアタッシュケースに入っている4つのレリックを見せた。
するとジェイルの表情が変わった。
「クアットロから先の妹達(シスターズ)にしてくれ。」
どうやら交渉成立のようだ。
「僕の希望としてはNo.5チンクとNo.8オットーの二人なんですが?」
「私としては嬉しいが、その二人で戦力の向上になるのか?」
ジェイルが心配していた。
「問題ありません。それに、僕たちの任務は半分以上があなたたちへの協力ですから。」
「知っているよ。レジアスから聞いているからな。今呼ぶから待っていてくれ。」
ジェイルが連絡をしている間に、僕は一枚の書類を書いていた。
それはチンクたちを引き取るための書類の一つである保護孤児申請書。
そこには今さっきジェイルから貰った(引き渡して貰った)チンクとオットーの名前が書いてあった。
「チンク、全ての私物を持って、私の部屋に来てくれ。」
チンクに此処に来るように伝えたジェイル。
オットーに関しては
「オットーは今調整中なんだ。今日中に終わらせておくから明日また来てくれ。」
とのことだ。
私とジェイルはチンクが来るのをまった。
チンクも女の子なのだから時間が「今来ました。」
早い。
どうしてこん何も早いのだろう?
「ミライも来ていたのか。」
「チンク姉、どうして荷物がそれだけなんですか?」
「私には服があれば十分だからな。それよりも何のようでしょうか?」
チンクがジェイルに訊ねた。
「チンクにはミライの手伝いをしてもらいたくてな。」
「ミライのですか?」
「そうだ。ミライの部隊は私に協力するようだから戦力の補充を頼まれたのだよ。」
「そう言うことです。」
僕とジェイルで説明をした。
「わかりました。それではいまからいくとします。ミライ行くとするぞ。」
「わかった。ジェイル、また来るよ。スクライア二等陸士、隊舎まで頼みます。」
「はい。」
スクライア二士はすぐに転移を開始した。

「着きました。」
転移を行うと僕は毎回思うのだが、どうして転移中は眩しいのだろう。
「ありがとう。チンク姉は着いてきてね。」
僕はチンク姉と一緒に部隊長室に向かった。
「ミライ。どうして姉を選んだのだ?」
チンク姉から質問をされた。
「それはチンク姉が僕のお姉ちゃんみたいだったから。」
「そうか。だが他にもいただろう。ディエチやノーヴェ、ウェンディ、セッテ、セイン、ディード。」
「僕が一番信用しているのがチンク姉だったの。それにオットーはランクは低いけど熱心だから。」
「そうか。しかしお前たちを襲ったのは姉だぞ。」
確かに襲ったのはチンク姉だったが、僕の面倒を見てくれたのもチンク姉だった。
「今の僕があるのはあの時、僕にチンク姉が話し掛けてきてくれたからです。」
ジェイルの研究所で僕はゼスト隊長が助からないのだと考えると、何度か自殺しようとした。
しかしそのたびにチンク姉は、
「もしもの時は、姉がそばにいる。」
この言葉は今でも心の奥に残っている。
「チンク姉、此処です。」
僕は部隊長室に案内した。
部隊長室に着くとチンク姉がなにかに気づいた。
それは僕の机の中にある古代遺物(ロストロギア)であるレリック。
「ミライ、姉になにか隠してはいないか?」
相変わらず勘が鋭かった。
「レリックの所持数がジェイルに渡した4つ出はなく8つだったのです。」
「ミライ、ドクターに嘘をついたのか。それでよく姉を連れてきたな。」
「チンク姉なら大丈夫だと思ったんです。それに僕が今はチンク姉と戸籍登録したからそんな心配がいらないと思いたいです。それに・・・。」
「それに?」
僕は一回釘ってから、
「オットーを引き取りにいくときに渡すつもりだから。」
僕はチンク姉の前で宣言してしまった。
「そうか。ならいい。」
僕の言葉を聞いたチンク姉は安心したようだ。
そんななか廊下から足音が聞こえてくる。
だんだん大きくなる足音はピタリと聞こえなくなった。
「失礼します。夏村准将、下部隊の部隊長達が応接室に来ています。」
「わかりました。それからオオカリ二等陸佐は今後情報部の総合指揮官を委任します。僕の補佐にはチンク新准尉とオットー新准尉の二人に任せます。」
「チンク新准尉とはそちらの方で?」
「はい。それと先日の襲撃の犯人だったりします。」
僕はあの事件の加害者であったことを伝えたが、オオカリ二佐は
「そうですか。あの時の。ではこの隊の戦力も安全ですね。」
「明日はもう一人の新准尉を連れてくるので、挨拶はそれからと言うことで。」
「了解です。」
オオカリ二佐は礼をしてから部隊長室を出ていった。
それにしても下部隊があったなんて知らなかった。
「チンク姉、その格好だと怪しまれますのでこれを着てください。」
僕は発注しておいたチンク姉用の強行調査専門部隊の制服と、管理局の制服を渡した。
そして僕が指示したのは部隊の制服。
「真っ赤なのだが。」
「この部隊は特別だから一般局員とは違い制服は二着あるのです。これは部隊としての隠密行動の時に重要になって来るのです。正体を隠す際に良く使います。」
「そんなので管理局の部隊として活動出来ているのが不思議だな。」
「とにかく応接室に行きましょう。」
僕はチンク姉と応接室に向かうことにした。
応接室はこの部隊の前進である総合調査隊隊舎(旧隊舎)の一階に設けられている。
旧隊舎は現在使用中の隊舎の一階の西側に連絡通路が設けられている。
部隊長室からは一分も掛らない所にある。
移動中は先日起きた事件の現場に保管されていた古代遺物(ロストロギア)が旧隊舎の資料室に移動していた。
「資料管理ご苦労様です。」
僕は声をかけた。
「部隊長もお疲れ様です。大変ですね。今日も下部隊との話し合いなのでしょう。」
「はい。でも一体何のようで?」
「聞いていないのですか?下部隊は廃止されて、前下部隊はこの部隊に配合されるのです。」
「ちなみにその部隊人数は?」
「全員で48人です。僕は此処なので失礼します。」
青年はきっちり仕事をこなしていた。
トレス・ミレント一等陸士。
彼の名前だ。
覚えておこう。
「失礼します。皆さん今日はようこそお出でくださいました。僕はこの部隊の部隊長である未来・夏村・ハラウオン准将です。」
すると一番右側の女性から立ち上がり、
「リリ・キディ二等空尉です。研究所専門調査部隊の部隊長を務めています。」
「シンヤ・ポーテル二等陸尉です。本局部隊専門調査部隊の部隊長を務めています。」
「エリス・ジェイミ三等陸尉です。地上本部部隊専門調査部隊の部隊長を務めています。」
「チム・ミレイ一等陸尉です。違法施設専門調査部隊」
「クナ・オオキ二等空尉です。聖王協会関係調査専門部隊の部隊長を務めています。」
最初の女性から次々に挨拶をされた。
「本日のご予定は配合についてですか?」
「「はい。」」
全員が口を揃えて、そう告げた。
そもそも僕としてはこの案にはあまり関心がないため、この五人にこんな確認をした。
「皆さんは部隊併合をしたいのですか?」
僕は本当に初歩的な質問だと思った。
この案の立案者はこの部隊の前部隊長だった。
強行調査専門部隊の人員増を目的だったのであろう。
「私は併合はしたくありません。」
最初に質問に答えたのはキディ二尉だった。
「皆さんもですか?」
僕の質問に皆が頷いた。
「それではこの話は無かったことにして今まで通りに下部隊と言うことで。」
「「えっ?」」
僕の言葉を理解できていなかった。
「人員増もしたいですけど、あなたたちの意見を無視してまですることではないので。話は以上です。僕は用事がありますので失礼します。」
僕とチンク姉は応接室を出ていった。
それにしても前部隊長は強行派だったことがわかった。
「ミライ、あんなのでいいのか?」
と、このあとチンク姉から色々と話をさせられた。
 
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