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レーヴァティン

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第二百七十四話 その時が来てその二

「いい」
「そうだよな」
「だからだ」
 英雄はさらに言った。
「ここはだ」
「攻めるな」
「クトゥルフの居場所もわかった」
「文献を調べてな」
「そこに行ってだ」
「俺達の神器の力を解放してな」
 そうしてというのだ。
「あいつの神殿がある島を出させてな」
「そこに軍を送り込んでだ」
 そうしてというのだ。
「戦うぞ」
「そうするな」
「まさにその時がだ」
「来たな」
「この浮島に来てだ」
 英雄はそれからのことも話した。
「長かったな」
「この浮島での歳月はな」
「夢では一睡でだ」 
 その間のことだというのだ。
「何年も過ぎるが」
「それでもな」
「この世界でも時間はな」
 一睡で何年も過ぎるそれはというのだ。
「過ぎる」
「それで気付いたらな」
「俺達は歳を取っていないが」
「少なくとも肉体的にはな」
「外見はそのままでだ」 
 そうしてというのだ。
「そして体力もな」
「落ちていないな」
「頭の冴えもな」
 こちらもというのだ。
「変わっていないが」
「歳月は経ってるな」
 久志はそれはと答えた。
「このことは否定出来ないな」
「そうだ、だからな」
 それでとだ、英雄は久志に話した。
「思えばだ」
「随分経ってるな」
「何十年もな」
 この世界ではというのだ。
「そうなっているな」
「思えば長いな」
「今振り返るとな」
「何十年、決してな」 
 それだけの歳月はというのだ。
「短くはないな」
「そうだ、しかしだ」
「その何十年の間してきたことがな」
「今果たされようとしている」
「そうだよな」
 久志は英雄の言葉に頷いて応えた。
「いよいよな」
「最初は二人だったな」 
 英雄はここでこうも言った。
「そういえば」
「ああ、この世界に来た時はな」
 久志はそれはと応えた。
「そうだったな」
「そこからはじめたな」
「それぞれの浮島に分かれてな」
「仲間も集めてだ」
「旗揚げもしてな」
「二つの浮島も統一してだ」
「そして今はな」
 英雄に対して話した。
「国家連合になって」
「海の魔神の正体もわかった」
「それでいよいよ戦うな」
「そうなった、二人で冒険の旅をしていた頃がだ」
 英雄は話した、見れば表情は普段通りで全く変わらない、だがその目は遠くを見るものになっていた。 
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