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星河の覇皇

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第八十二部第二章 国債その二十

「常だな」
「はい、撤退戦のです」
「まさに基礎の基礎です」
「オムダーマン軍もそうしてきました」
「そしてサハラではです」
「モンゴル軍は撤退の時にマキビシを撒いた」 
 アッディーンはこのことも話した。
「追撃に専念する敵にダメージを与えるか」
「それを見せて巻き添えにする」
「そうしたやり方ですね」
「そしてそれがですね」
「今は機雷ということですね」
「そうだ、だから今はな」
 機雷にもというのだ。
「警戒すべきだ」
「承知しています」
「今は機雷の報告はないですが」
「あることは充分に考えられます」
「ですから」
「全軍に命じる」 
 アッディーンはオムダーマン軍最高司令官の席から告げた。
「進撃しつつも警戒は怠るな」
「敵の伏兵にも」
「そして機雷にも」
「どちらにもですね」
「警戒を怠らないことですね」
「絶対にな」
 こう命じてだった、アッディーンは進撃を続けさせたが彼の懸念はこの日のうちにあった。
「第三軍から報告がありました」
「どうした」
「前方に機雷が撒布されていて」
 それでというのだ。
「まずはです」
「撤去してからだな」
 その機雷をというのだ。
「そうしてだな」
「はい、そして」
「それからでいい」
 アッディーンは報告にこう返した。
「それならな」
「それでは」
「それでだが」
 アッディーンはさらに言った。
「各軍もだ」
「機雷が前方にあれば」
「撤去してだ」
「それからですね」
「進むことだ、掃海艇を使うよりもな」
「機雷原への攻撃で」
「それでだ」
 機雷を潰してというのだ。
「そうしてだ」
「進めと」
「その様にな」
「掃海艇を使いますと」
「確かに撤去は出来るが」
 それでもというのだ。
「安全かつ確実にな」
「それでもですね」
「どうしても時間がかかる、だからな」
「今はですね」
「宙点攻撃でな」
 まさにこれでというのだ。
「機雷原自体を吹き飛ばし」
「そうして先に進む」
「そうしていく」
「今はですね」
「さもないとな」
 それこそというのだ。 
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