綾小路くんがハーレムを構築する話
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清隆くんのお宅訪問 坂柳編
AM7:50
3月初旬の朝。
坂柳「ふふ♪今日はとても楽しみですね♪どうやって、清隆くんを誘いだしましょうか♪」
神室「ふわぁ……。あんた、今日は朝から元気ね?」
私は上機嫌に愛用の杖でリズムを取りながら、真澄さんと登校していました。
真澄さんは朝が弱いので、いつも以上に眠そうに私の話しを聞いていました。
坂柳「真澄さん。元気なのは当然ですわ?今日は清隆くんと過ごせる日なのですから♪」
神室「はいはい……。良かったわね」
真澄さんはいつもより、不機嫌そうですね……
もしかして………
坂柳「ふふ♪真澄さんは妬いてるんですか?」
驚いたようにビクッと肩をはねらせながら歩みを止め、私に向かって……
神室「はぁーーー//////?あんた、ちょっ……何言ってるのよ!!!」
真澄さんは周りの生徒にも聞こえるくらい大きな声で言ったため、他の生徒に視られていました。
真澄さんは少し恥ずかしそうにしながら、こちらを睨んで来ました。
坂柳「心配しなくとも、真澄さんにもチャンスが回って来るのですから、そんなに妬かないで下さいな♪」
神室「べ、別に妬いてなんかいないし……第一、私はあんなやつと過ごしたいなんて思ってないし//////寝ぼけたこと言ってんじゃないわよ!」
先程より、私にしか聞こえないくらい小さな声で、怒っていました……
ほんと、真澄さんをからかうのは楽しいですね♪
確か、真澄さんは6番でしたっけ……?
坂柳「まぁまぁ♪落ち着いて下さい!清隆くんを誘う時は私が協力して差し上げますので♪」
神室「う、うるさい//////!私は先に行くから!カバンはあんたの机に置いておくから!!!」
真澄さんは怒りながら、私のカバンも持って先に学校に向かって行きました。
ふふ♪可愛いですわね♪
それにしても………
他の皆さんも真澄さんのように自分の番が回って来るまで、やきもきして過ごしているのでしょうか………?
私より先に順番を迎えたあのお二方は清隆くんを呼ぶことに成功したのでしょうか……?
一体皆さんはどれくらい彼の事を想っているんでしょうか……
ふふ♪私としたことが………詮索はしない約束でしたね……
とにかく、今は余計な事を考えずにしましょう。
それに………
今、必要なのは彼と過ごす算段を考えること……それだけですわ♪
清隆くんは確か……昼休みに屋上で一人でいる時間があった筈ですね…。
その時に彼と接触を試みますか♪
私はそんな事を考えながら、ゆっくりと学校に向かいました。
昼休み。
坂柳「はぁはぁ……。やはり、この身体で屋上まで向かうのは少し厳しいですね……」
私は屋上に向かって、階段を上っていました……。
私は特例でエレベーターを使う許可を頂いているのですが……
だからと言って、エレベーターを使うのは、悔しかったので自力で階段を上っていたのですが……いささか、大変ですね……
それに屋上に着いたとしても、彼が屋上に来るという確証もありませんし………
私は引き返そうか揺れ動いていると………
後ろから………
綾小路「坂……有栖?何でこんな所に居るんだ……?」
坂柳「!!!」
後ろを振り向くと清隆くんが気だるげに話しかけて来ました……。
なんという偶然……いえ、運命ですわ♪
坂柳「ふふ♪ごきげんよう♪清隆くん。私は少し風に当たりたかったので屋上に向かっていた次第ですわ♪」
綾小路「本当か……?」
清隆くんは少し警戒してますね……
当たり前でしょうけど……
坂柳「本当ですわ♪清隆くんも今から屋上に向かうのでしょう?良ければ、御一緒しませんか?」
彼は少し間を置いてから……
綾小路「まぁ、別に構わない。」
坂柳「……では参りましょうか♪」
これは意外ですね……
もっと冷たくいい放つ事を予想していましたが……これはこれでOKですね♪
まぁ、彼は先に屋上に行ってしまうのでしょうけど……
そう私は考えていると、清隆くんは私の隣にやって来ました……一体どうしたんでしょうか?
すると………
綾小路「俺に捕まれ。」
坂柳「……え//////?そ、それはどういう事でしょうか……?」
綾小路「その身体では一人で階段を上るのは負担が大きいだろ?見たところ、だいぶ疲れているようにも見えるしな……」
坂柳「…あ、ありがとうございます//////」
その後、彼はこれくらい誰でもやるだろ?と言ってから、優しく私の肩を支えて、ゆっくりと階段を上ってくれました//////
これは私の頭脳を持ってしても……何というか……その……予想外過ぎて//////
ち、近いです……//////
それにしても……清隆くんの身体はとても筋肉質ですね……この身体に抱き締められでもしたら、さぞ……//////
わ、わ、私ったらなんてハレンチな事を……//////
そうこう考えている内にいつの間にか屋上に着いたみたいでした……
綾小路「有栖。大丈夫だったか……?」
坂柳「と、とんでもないです//////お手数をお掛けして申し訳ありません……」
綾小路「それは全然問題ない。……それより有栖はちゃんと食べてるのか?軽すぎて驚いたぞ。」
坂柳「な!!!し、失礼ですわ。私はきちんと栄養バランスを考えた食事を取ってます!」
綾小路「そ、そうか。分かったから落ち着け。お前らしくないぞ?……有栖」
坂柳「いいえ!落ち着いていられませんわ?それに女性に対して軽いなどという言葉を軽々しく口にしないで下さい!デリカシーに欠けます!」
綾小路「あ、ああ……すまん。」
坂柳「分かって下されば、私は何も言いませんわ?清隆くん。」
つい、熱くなってしまいました……私らしくないですね……
相手があなただからでしょうか//////?
綾小路「いや、結構熱く語っていたが……まぁ、いい……有栖に1つ聞きたいことがある。」
彼自身から、私に聞きたいこと……
なるほど……1つということはあれしかありませんね……
坂柳「聞きたいことですか?……ふふ♪予想がつきました。どうして、私たちがあのメンバーと放課後過ごさないか……ですよね?当たりですか?」
綾小路「まぁ、大方当たりだ。……特別試験の前だからって理由だけじゃないんだろ?」
坂柳「貴方の言う通りの理由ですよ?特別試験がもうすぐ始まるため違うクラスの私たちは距離を取っている……それだけですわ?」
清隆くんは私の真意を図るようにじっと見詰めて来ましたが……
それだけで動揺する私ではありませんわ!
動揺なんて……//////
……そんなに見詰めないで下さい//////♪
綾小路「……そうか。まぁ、俺のためにもそうしてくれると助かる」
坂柳「あら?私たちと御一緒するのはお嫌ですか?今、貴方は大変ですもの……ね♪清隆くん?」
私はつい、からかうように清隆くんを挑発してしまいました……♪
綾小路「……誰のせいだと思ってる?お陰で俺は色んな奴等から視られるし、上級生の女子生徒達からは10股男だの言われているんだぞ……?全く……」
坂柳「ふふ♪本当のことじゃないんですか♪?」
綾小路「……冗談はよしてくれ。」
彼は少し困った顔をしている気がしました。
いつもの無表情は崩していませんが……
坂柳「私としても……ただ1つ、誤算だったのは貴方の魅力に気付いてしまった女性が増えてしまったことですわ……♪」
綾小路「まだ冗談を続けるのか……有栖?」
彼はまるで、何を言ってるんだと言わんばかりの表情ですね……
坂柳「貴方という人は……全く……もういいです。」
綾小路「?」
坂柳「それにしても……屋上というのは見晴らしが良くてとても心地いいですね。」
綾小路「有栖は屋上に来るのは初めてなのか?」
坂柳「はい♪来たいと思ってはいたのですが……行く機会が無かったものですから」
綾小路「そうだったのか。まぁ、確かに、わざわざ来る場所では無いからな……」
本当はあなたがここに来ると思ったから……なんてことは内緒です//////♪
こうして二人きりの時間も悪くありませんね……//////
さてと……楽しくなってきたところで
そろそろ本題に入るとしましょうかね♪
坂柳「清隆くん!ご相談があるのですが、宜しいですか?」
私はとびっきりの笑顔で彼に向かっていいました♪
すると……
綾小路「……遠慮しとく。また、何企んでいるか分からないからな……俺は先に教室に戻る。」
清隆くんはそう言って、私に背を向けて帰
ろうとしました………
ふふ♪想定内ですわ♪
私の話しを聞かずに教室に戻る確率は高かったですからね。
で・も……私には切り札があるので♪
坂柳「ふふ♪つれないですね♪……この前の勝負の件についてだったのですが……残念ですね♪」
そう私が言った途端に彼の足はピタリと止まりました……。
ふふ♪
綾小路「……あの勝負の条件についてはもう話しがついただろ?」
坂柳「まぁ、聞いて下さい。1つ条件を追加しようと思いまして♪勿論、あなたにとってデメリットはありませんよ?」
綾小路「…俺が勝負を受けると言った時、俺が負けた時のデメリットがでないようにお前が条件を付けたはずだ。そこから更に条件を追加?何か裏があるとしか思えないな……」
坂柳「あの時、次の試験内容の順位で競うと話しましたよね?……でも今の状況の清隆くんだと仮に私の勝負に勝ったとしても負けたとしても色々目立ってしまうんじゃないですか♪」
綾小路「……だから誰のせいだと思ってるんだ」
坂柳「だからこその提案です。次の試験ではなくもう少し落ち着いた頃に勝負致しませんか?」
綾小路「……そんな提案をする前に勝負をしないという選択肢は無いのか?お前には……」
坂柳「ありませんわ♪……それにお前ではなく有栖と呼んで下さい♪」
綾小路「それで……有栖の条件の追加というのは勝負の先伸ばしってことだな?それは正直有難いが……」
坂柳「はい♪もっと貴方に心の余裕が出来た時で構わないので……その代わり今日私に1日つきあってくれませんか?そうして戴ければ私はこの先の勝負もう少し待っても良いのですが……いかかでしょう?」
綾小路「………」
ふふ♪考えていますねー♪
考えている貴方も素敵です//////♪
まぁ、あなたと過ごしたいからこの条件を考えついたので、裏があるのは認めますけど……♪
そんなことを考えながら私が彼の表情を伺っていると……
綾小路「……いいだろう。これから先の事を考えたら、今すぐ有栖と戦わなくて済むならその条件を受け入れよう。今日1日くらいつきあうぞ。」
坂柳「……本当ですか//////♪嬉しいです//////それでは、放課後にお願いしますね?清隆くんから先に教室戻って頂いて構いませんよ?」
綾小路「……一人で降りれるか?」
私の事を気にかけているように感じられて嬉しいですね……//////
坂柳「ふふ♪ご心配なく!真澄さんをお呼びしたので♪」
綾小路「……そうか。分かった。じゃ、また後でな。」
坂柳「はい♪」
彼はそれだけ言い残すと屋上から去って行きました……
私は清隆くんが居なくなったのを確認してから……
坂柳「はぁ……//////ま、ま、まさか本当に成功するとは……//////♪確認は低いと思いましたが、楽しみですね♪」
私は緊張感から解放されて一人で座り込んでいました……
勝負も出来る上に彼と一緒に二人きりで過ごせるなんて……//////♪
私にとっては一石二鳥ですね//////
流石は私ですわ♪
放課後がこんなに待ちきれないのは初めてかもしれないですね//////♪
そんなことを考えながら、私は真澄さんが来るのを待っていました。
放課後。
坂柳「ふふ♪楽しみですねー♪」
私は誰も居なくなったAクラスの教室で、清隆くんを待っていました。
こんなに待ち遠しいとは……
恋人を待つ女性の気持ちが解る気がしますわ……//////
彼とはまだ……そういう関係ではありませんが……いずれ私のものにしますし♪
そんな風に考えながら、彼を待っていると……
ガラッ………
綾小路「すまん……。待ったか?」
彼は教室のドアを開けてから、少し小走りでこっちに向かって来ました。
坂柳「いえいえ♪そんなに待ってないですよ♪それでは行きましょうか?」
綾小路「あぁ。行くか。」
私は彼にそう言ってから教室を先に出ました。
清隆くんは私の隣に来ると私のペースに合わせて歩きながら、そう話してくれました。
こんなやり取りも悪くありませんね//////
さてと………それではフェイズ2に移りましょうか。
坂柳「清隆くんは紅茶などお好きですか?」
綾小路「なんだ急に……?まぁ、嫌いではないな。」
坂柳「そうですか♪とても美味しい紅茶があるので、御一緒に紅茶でも飲みませんか?」
綾小路「……ちなみにそれはどこにあるんだ?」
坂柳「ふふ♪勿論、私の部屋ですわ♪」
綾小路「いや、待て待て……なんでそうなるんだ?」
坂柳「あら♪今日1日清隆くんは私のものなんですから♪もし拒否するのであれば、今すぐにでも勝負する方向で考えても構いませんけど♪いかがします?」
綾小路「………仕方ない。但し、何か企んでいたと分かったら勝負の件は無しだ。」
坂柳「ふふ♪何も企んでなんかいませんからご安心を♪」
綾小路「どうだかな……」
ふふ♪こちらも上手く事が運びましたね♪
一度清隆くん二人でお茶をしたかったので……//////
この機会を利用しない手はないですからね♪
私たちはその後、楽しく会話しながら、私の部屋に向かいました。
私のお部屋にて……ですわ♪
ガチャっ………
坂柳「さぁ、どうぞ♪清隆くん。遠慮なくお入りになって下さい♪」
綾小路「……お邪魔します。」
彼は周りを細かく確認しながら、静かに私の部屋に入って来ました。
きちんと靴を整え、私に向かって礼儀正しく挨拶するのをみると、流石清隆くんですわね……♪
綾小路「これは!……なんというか、荘厳な部屋だな……?本当に一緒の部屋なのか?こんな高級そうなアンティークの家具とか売ってるのか?いや、有栖らしいと言えばそうなんだが……」
彼は私の部屋に入るなり、驚きながら部屋を確認していました……
清隆くんが饒舌に語るなんて珍しいですね……
とても新鮮で可愛らしいですわ//////♪
坂柳「ふふ♪さぁ、こちらにお座り下さい♪今、紅茶をお淹れしますね♪」
綾小路「俺も手伝おう。」
坂柳「いえいえ……!清隆くんはお客さまなのですから、座って待っていて下さい。」
綾小路「いや、座っていると……なんというか落ち着かないからな……有栖の手伝いをしたいんだが、駄目か?」
私にそう言ってから、キッチンに向かって来ました。
というより………
そんなに見詰めながら言わないで下さい////////////
駄目な訳ありませんわー//////♪
坂柳「そういうことでしたら……手伝っていただけますか//////♪?ティーカップがそこにあるのでご用意して貰えますか?」
綾小路「あぁ、分かった。……ティーカップも高級そうだな……落とさないように気をつけないとな……」
坂柳「ふふ、大丈夫ですよ。そんなに大事そうに持たなくても。安物ですわ」
あぁ♪なんという夢の時間でしょう//////
あの清隆くんが私の部屋に来て、一緒に紅茶を淹れるお手伝いをしてくれるなんて♪
しかも………
さりげなく、私の身体に負担がかからないように隣で支えて下さるなんて…////////////
貴方という人はどこまで私の心を掻き乱せば済むのですか//////♪
綾小路「これテーブルに持っていくぞ」
坂柳「は、はい//////。お願いします♪」
彼はティーカップを持って、先に座りました。それに続いて私も清隆くんの向かいに座りました。
綾小路「……これは旨いな。アールグレイか?」
坂柳「流石は清隆くんです♪ 中々、そこらへんでは滅多にお目にかからない代物です。」
綾小路「……だろうな。品のある味だな。」
坂柳「お口に合って良かったです♪中々、紅茶が好きな方がいらっしゃらなかったので……」
綾小路「そうなのか?勿体無いな。」
彼は紅茶を口に運びながら、答えました。
事実を言うと……貴方と一緒に飲むために購入したから他の方を誘わなかったんですけどね……//////♪
坂柳「清隆くん今日はおつきあい下さってありがとうございます。」
綾小路「……いや、こちらこそ紅茶ご馳走になって悪いな?」
坂柳「いえいえ♪一人で飲むのも味気ないですからね。……1つ清隆くんに伺っても宜しいですか?」
綾小路「あぁ、いいぞ……答えられる質問だった場合だがな。」
坂柳「断ろうと思えば断れた筈ですよね?どうして私の提案を素直に受け入れたのですか?」
綾小路「……最終的には俺のためだ。受け入れたのはな。」
自分のため……ですか。
貴方らしいですけど♪
ホワイトルームで英才教育を受けた貴方ほど他人を道具だと思ってる人はこの学校にいないでしょうからね……
深くはお聞きしませんが……
坂柳「ふふ♪なるほど。詮索するつもりは無いのでご心配なく。ただの興味本位ですから♪」
綾小路「俺からは1ついいか?」
……一体何でしょうか?
坂柳「 えぇ、どうぞ♪答えられる質問であれば……ですけど♪」
綾小路「何故俺とそんなに勝負したいんだ?」
これまた、ストレートにぶつけて来ましたね………。
坂柳「以前お話しした通り、偽りの天才である貴方をこの手で打ち破り、真の天才である私のことを貴方に認めさせたいから……ですよ?」
綾小路「……なるほどな。俺としてはいい迷惑な話しだ。」
それだけ言ってから、紅茶を口に運び私から目を反らしました……
彼もあまり詮索しようとしないのでしょうか……?
もっと、食いついてくると思ったのですがね……
まぁ、いいでしょう。
綾小路「納得していない顔だな?」
坂柳「!!!。……よく分かりましたわね?清隆くん」
綾小路「多分……俺とお前は同じだからかもな。」
坂柳「え……//////?ど、どういうことですか//////?」
きゅ、急に貴方は何を言い出すのです
か//////
いつもの私らしくない声が出てしまいましたわ………恥ずかしい//////
彼はこちらを見ながら……
綾小路「思考回路も頭の回転の早さも自分の能力を何一つ疑ってないところが……ってことだ。……そんなに驚くことか?」
坂柳「そ、そういうことですか……//////確かにそうですね……」
綾小路「そう考えるとお互いに似た者同士なのかもな。いや……これは有栖に失礼だな、すまん。」
坂柳「そんなことありませんよ?とても嬉しいですわ//////♪」
綾小路「そうか?それならいいんだがな……。」
坂柳「はい//////♪似た者同士の私と貴方との勝負が楽しみです。勿論、勝つのは私ですから。そうじゃないと……」
綾小路「どうした?」
坂柳「いえ……なんでもありませんわ…」
私は勝たないと貴方とこうして過ごせなくなってしまうかもしれない……そう考えてしまっただけ……ですわ……
ふふ♪私としたことが……らしくないですね……
私は全力で貴方と戦いたいという気持ちは大きいのに……
負けるつもりは毛頭ないのに……
貴方と対峙するときの私はきっと、『楽しみ』という感情が勝るのは間違いありませんのに……
それでも………
綾小路「……勝たないと自分が退学になるからか?」
坂柳「!!!」
綾小路「今日の有栖はらしくないな…?」
坂柳「さぁ♪どうでしょうね?」
今日の私はそんなに解りやすいでしょうか?
それはきっと全部貴方のせいですね………
綾小路「有栖。俺からも提案したいんだが……いいか?」
坂柳「提案ですか……?それは何でしょう?まさか……今更勝負をして頂けないというのは無しですからね?」
綾小路「安心しろ……勝負は受けてやる。俺の提案は負けたら退学するっていう話しはチャラにしてやる……ってことだ。」
坂柳「!!!。」
これには流石の私も驚きました……
何故そんなことを仰るんでしょうか……?
そうでもしないと貴方は勝負を受けてくれないから私の進退を賭けてるというのに……
それを今更チャラ………?
それこそ裏があると思いますが、まずは…
坂柳「……自分が勝つことに自信があるだけならまだしも私に情けをかけたいということなら……返答次第ではいくら貴方でも許しませんよ?」
私は怒りを含ませながら、彼に問いました。
綾小路「確かにお前には負けるつもりはないが……。俺が勝負を受けるだけで良いなら、お前が退学を賭ける必要は無いだろ?」
坂柳「……どういう風の吹きまわしですか?貴方はもっと容赦のない性格だと思いますが……?」
綾小路「それこそお互い様だろ?……強いて言うならお前に退学して欲しくないだけだ。」
坂柳「ふぇっ……////////////?」
い、いきなり何を言い出すのですか//////
これは夢でしょうか……
ただで勝負を受けてくれるなんて………
いえいえ……そんなはずは………
綾小路「……そんなに信用出来ないなら書面でもするか?」
坂柳「あ、あの、退学して欲しくないというのは……その……どういうことですか//////?」
綾小路「……正直に言えば俺のためだ。さっきも言ったがな。お前が仮に勝負に負けたとして退学した場合、橋本や真澄たちが真っ先に俺を疑う可能性が高い……そうなると面倒なんだ。俺は平穏に過ごしたいんでな。」
坂柳「……なるほど。ですが……私が退学した場合Aクラスの損害は大きいと思います。そちらの方が貴方にとっては都合が良いのでは?」
綾小路「まぁ、確かにAクラスとの差を埋められる処かAクラスまで上がるのは簡単だろうな……。だが……単純に利益不利益無しに有栖と勝負してみたくなった……。それだけだ。」
彼の心境の変化は分かりませんが………
私のためでは無く、あくまで自分のため……そういうことですね。
ふふふ♪貴方という人は本当に面白い方ですね♪
坂柳「ふふふ♪いいでしょう♪そんなに私に退学して欲しくないのなら取り下げても構いませんわ。」
綾小路「……随分上から目線だな?まぁ、いい……そろそろ時間も遅いから俺は帰るぞ?」
彼は立ち上がってティーカップを律儀にキッチンに下げてから、こちらを向いて……
綾小路「紅茶ご馳走さま。旨かったぞ?」
坂柳「それは良かったです♪……お見送り致しますわ♪」
綾小路「いや、別に大丈夫なんだが……」
坂柳「駄目ですわ♪お客様をきちんとお見送りするのが礼儀というものですから♪」
彼は多分……私の身体を気遣ったのでしょうね……
そういう方ですから//////♪
本当に貴方という人はどこまで私の心を掻き乱すのでしょうね//////♪
そんなことを思いながらもう彼は靴を履き終えておりました………
綾小路「じゃあな、有栖。」
坂柳「はい……。ではまた学校でお会いしましょうね。」
少し寂しいものですね……
もう少し長くこの時間を味わいたかったものです……
すると……
彼はドアを開けようとするのを止めて、私の方を振り向きました……
どうしたのでしょうか……?
綾小路「……そう言えば有栖が負けた時の条件を言ってなかったな。そうだな……俺の溜まった愚痴を1日聞いて貰おうか。」
坂柳「ふふ♪……貴方という人は。そんなこと簡単に約束して宜しいのですか?」
綾小路「あぁ、構わない。それに……俺に散々迷惑かけたんだからそれくらいつきあって貰わないとな……?それと……勝負は秘密裏で頼む。周りにバレたら面倒だ。」
坂柳「ふふふ♪勿論、分かっていますわ♪益々、勝負が楽しみになりました……やはり、今すぐに勝負致しますか?」
綾小路「……おい。」
坂柳「冗談です♪それでは清隆くんまた学校でお会いしましょうね//////♪」
綾小路「あぁ。それじゃ、しっかり鍵閉めろよ?またな。」
バタン………
彼が帰った後、私はベッドにゆっくり座って………
坂柳「はぁ//////♪今日は夢のような時間を過ごせたので満足でしたわ♪」
まさか、彼から条件を提示されるとは……
しかも、負けたとしても………
彼と一緒に過ごせる条件とは//////♪
本当に今日は私の予想を遥かに越える収穫でしたわ//////♪
こうなるとどっちに転んでも勝負をするのが楽しみになりましたね♪
貴方はいずれ後悔しますよ……?
私は欲しいものは絶対に手に入れる性分なので……
必ず貴方を私のものにしてあげますからね♪
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