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オズのボームさん

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第二幕その三

「自由にね」
「それがいいね、ではね」
「ええ、今からね」
「九時になったらだね」
「お仕事をはじめましょう」
「それではね」
「じゃあそれまでの間は寝させてもらうわ」 
 エリカは欠伸をして言いました。
「ゆっくりとね」
「そうだよね、それがいいよね」
 トトも同意して頷きます。
「寝ていることがね」
「お仕事まではね」
「それがいいよ」
 こう言うのでした。
「そしてだよ」
「お仕事の時はね」
「頑張るんだよ」
「私達の出来ることをね」
「それがいいよ」
「ただ私はね」
 ここでエリカは笑って言いました。
「猫だからね」
「目の前で何か動いてるとだね」
「そっちに目がいくわ」 
 そうなるというのです。
「どうしてもね」
「それは仕方ないね」
「猫だからね」 
 それ故にというのです。
「そうなってしまうわ」
「習性でね」
「猫だと誰でもよ」
 ガラスの猫も言ってきました。
「そうなるわ」
「だから君もだね」
「私はガラスの身体だけれど」
 それでもとです、トトに答えます。
「それでもよ」
「猫だとね」
「どうしてもそうなるわ」
「目の前の動くものに目がいくね」
「注意もね」
「それ僕もだからね」
 臆病ライオンがここで言ってきました。
「もう目の前で虫が飛んでいるとね」
「すぐに目がいくね」
「そうなるんだ」
 トトに笑って答えました。
「習性でね」
「ライオンも猫の仲間だからね」
「ネコ科でね」
 この種類の生きものだというのです。
「だからだよ」
「それは当然のことだね」
「まさにね」
「そうそう、僕だってね」
 腹ペコタイガーも言ってきました。
「自然とだよ」
「目がいくね」
「それで前足もね」
「出るよね」
「もうね」
 それこそというのです。
「目がいくよ」
「そいうなるね」
「だからね」
 それでというのです。
「目と前足が出ることは」
「ネコ科の生きものならだね」
「当然のことだよ、そしてお仕事まではね」
「寝るね」
「お腹一杯食べてからね」  
 朝ご飯をというのです。 
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