ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜
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SAO編ーアインクラッド編ー
12.強さと偵察
前書き
第12話投稿!!!
75層の迷宮区!!
そこに待ち受ける新たなるボスとは!?
二〇二四年十一月六日 第七十四層・迷宮区
甲高い剣と剣が交わる音が響く薄暗い迷宮区。
(もっと速く!!!もっと強く!!!)
二手刀の刃がデモニッシュ・サーバントの体を貫く。
あの日からもう十日近くが経つ。
あの日........俺とキリトは人を殺した。
あの時、俺はラフィン・コフィンのメンバーに襲われたところ、ヒースクリフに助けられた。キリトもクラディールに襲われたところ、アスナに助けられた。だが間に合わず、ゴドフリーはクラディールに殺されてしまった。
そしてそのクラディールを.............キリトが殺した。
そのこともあってか、キリトとアスナは、少しの間休暇をとるようだ。そしてその数日後、あの二人が結婚していたことを知った。結婚といってもこの世界では結婚するとアイテムストレージの共通化になる。まぁ、あの二人はお似合いだけどな。
(もっと強くならないと........もっと、もっと、もっと!!!!!)
第五十五層・グランザム
「七十五層のボス部屋の偵察?」
「そうだ。君と他に五ギルド合同の二十名で向かってもらいたい」
久しぶりにヒースクリフからの依頼だ。俺は一応、血盟騎士団に入ってはいるが、ここ十日間は全く連絡もなかったのに急に。
第七十五層・コリニア 転移門広場
ボスの偵察に集まった、五ギルドの二十名+ソロの俺、一人。合わせて総勢二十一名。
攻略組のメンバーだが、顔合わせしたことはあるがギルド名などは、そこまで有名なギルドではないメンバーが、集まっている。だが、相手は俺を知っている。どんな呼ばれ方をしているか知らないが。前のように《槍剣使い》と呼ばれているのか、《光剣使い》と呼ばれているのか、それとも《血盟騎士団》の名で呼ばれているのか知らないが。
「それでは、今からボス部屋の偵察に向かうぞ!」
今回の五ギルド合同の指揮をとる男が声を上げ、転移門を潜っていく。俺たちも次々とゲートを潜り、第七十五層・迷宮区へと足を運ぶ。
七十五層も七十四層のようにフィールドモンスターでさえ、普通に強い。ソロで倒すのは、難しいレベルだ。
「これがボスの部屋か.......」
ボスの部屋の前に到達するが、扉から溢れ出てくる威圧感が前まで溢れてきており、部屋の前でさえ、不穏な空気が漂っている。
「これよりボスの部屋に行くぞ。皆、転移結晶を手に持っておくように」
少し気になることがあった。
七十四層のフィールドがクリスタル無効化エリアだった。そしてここにきて、モンスターが異常なまでに強くなっている。七十五層のボスフィールドにトラップが仕掛けられていると考えるのが妥当だろう。だが、合同ギルドのメンバーは、ボスの部屋の扉を開ける。
中は真っ暗で何も見えない。
「........ボスがいない」
合同ギルドのメンバーの半数が部屋の中央に向かい歩いて行く。残りの俺たちも部屋に踏み入ろうとした瞬間、扉が急激に閉まった。
「なにっ!!!」
閉まった扉は、開くことがなくビクともしない。
「これもトラップか!?」
何も出来ない俺たちをあざ笑うかのように扉は、開くことはない。
.........そして、扉が急に開く。
するとその中には................何もいなかった.........先陣を切って入っていった、十人も、ボスさえも何もいなかった。
転移結晶で帰ったのだと思った.........いや、そう思いたかっただけなのかもしれない。だが、俺の願いは無情にも消えた。
「あいつらの名前がない.......」
震えた声でメニューウインドウを開く何処かのギルド男。
名前がない........つまりそれが意味するのは..........プレーヤーの死。
第五十五層・グランザム
「そうか、そんなことがあったのか」
俺は今日あった事をヒースクリフに報告した。ヒースクリフは、少し考えたあと結論を出す。
「明日、七十五層の攻略を行う。攻略組のメンバーを集結させる。シュウ君も協力してもらうぞ」
「はなからその気だ」
攻略組のメンバーの集結。キリトとアスナは、最悪だろうな。
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