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レーヴァティン

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第二百五十八話 ヴェネツィアへ向かいその八

「勿論ね」
「そうしたいな、この浮島にはカレーもあるしな」
「丁度いいね、兎角ジャガイモは」
「この浮島の柱の一つだな」
「そう言ってもいいよ」
 まさにというのだ。
「かなりのものだよ」
「どれだけの民が助かっているか」 
 ジャガイモのお陰でというのだ。
「本当にな」
「麦だけだと」
「辛いからな」
「この浮島は寒冷な場所も多くて」 
 剛はその為にと話した。
「お米は限られた場所でしか作れないから」
「あれは暖かい場所じゃないと作られないからな」
「だからね」
 その為にというのだ。
「麦が主食になるけれど」
「それでもな」
「それだけじゃ足りないから」
 麦だけではというのだ。
「ジャガイモがあるから」
「本当に助かるな」
「全くだよ、ジャガイモは救世主だよ」
 剛はこうまで言った。
「この浮島にとって」
「政をやるにしても助かってるな」
「それだけ食べものが豊富になるからね」
 ジャガイモがある分というのだ。
「だからね」
「いいな」
「うん、ジャガイモは神様だよ」
 剛はこうまで言った。
「この浮島にとっては」
「それはその通りだな」
「こんないいものを否定したら」
 それこそというのだ。
「罰が当たるよ」
「そこまでだな」
「本当にそう思うよ」
「こっちでもジャガイモ食べるっちゃが」
 愛実もジャガイモの話をした。
「けれどお芋はっちゃ」
「薩摩芋ですね」
 紅葉が応えた。
「やはり」
「主食というとっちゃな」
「そうですね」
「ジャガイモはおかずっちゃ」
 それになるというのだ。
「ふかしても食べるし」
「肉じゃがもですね」
「こっちの浮島ではあるっちゃ」
「そうですね」
 紅葉はオートミールを食べつつ話した、スプーンを動かす手の動きは慣れたもので問題は観られない。
「わたくし達が起きた世界では明治からのものですが」
「こっちの世界にはもうあるっちゃ」
「左様ですね」
「それで美味しいっちゃ」
 愛実はハムを食べつつ笑顔で述べた。 
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