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レーヴァティン

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第二百五十五話 ヴェネツィアでの再会その十三

「そうでござる」
「そういうことか」
「だからでござる」
 それでというのだ。
「出さないでござる」
「そうなのだな」
「そうでござる」
「鱈はいい魚だ」
 幸正は話に出たこの魚について述べた。
「癖がなくな」
「色々なお料理に使えるでござるな」
「そうした魚だが」
「その鱈もでござる」
「よくなのだな」
「そちらでは」
 こう幸正に話した。
「そうした地域もあるでござる」
「だからそちらの料理はか」
「出さないでござる、ただ朝食にはでござる」
 これにはというのだ。
「出すでござる」
「そちらの朝食はいいのだな」
「オートミールに卵料理にと」
 こうしたものがというのだ。
「美味でござるから」
「朝はか」
「出させてもらうでござる」
「その国の料理をだな」
「そして三時には」
 この時にはというのだ。
「ティーセットでござる」
「つまりおやつだな」
「そちらにもでござる」
「そちらの料理を出すな」
「そうするでござる」 
 進太は微笑んで話した。
「是非」
「それではな」
「勿論紅茶もでござる」
「出してくれるか」
「コーヒーもでござる」
 こちらもというのだ。
「あるでござるからな」
「そうか紅茶だけでなくか」
「コーヒーもどうぞでござる」
「ではな」
「ケーキもあるでござるか」
「何っ、ケーキか」
 幸正は目を輝かせて応えた。
「それは楽しみだ」
「まさかと思うでござるが」
「そうだ、我はケーキが好きだ」
 幸正は正直に答えた。
「それもかなりな」
「そうでござるか」
「あちらではな」
「ケーキはないでござるな」
「そうだったからな」
「楽しみでござるか」
「かなりな」 
 こうも答えた。
「今そうなった」
「そうでござるか」
「ケーキがあったな」 
 幸正はあらためて言った。
「こちらには」
「そうでござる」
「そうだった、ケーキだ」
「余程ケーキが好きでござるか」
「大好きだ」
 また言うのだった。
「甘いものは何でも好きだがな」
「ケーキは特にでござるか」
「そうだからな」
 それ故にというのだ。
「楽しみだ、今夜にも出るか」
「ケーキは基本でござる」
 進太は答えた。
「デザートの」
「だからだな」
「出るでござる」
 まさにというのだ。
「安心して欲しいでござる」
「それではな」
「今夜からでござるな」
「ケーキも楽しませてもらおう」
「さすれば」
 進太も笑顔で応えた、二つの浮島のそれぞれの者達は早速打ち解けていた、そのうえでヴェネツィアに向かうのだった。


第二百五十五話   完


                    2022・4・23 
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