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レーヴァティン

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第二百五十三話 蝦夷が収まりその八

「今は少し特殊に思われていても」
「法で罰せられるか」
「それはないね」
「絶対にな」
「日本でそれで罪に問われた人いた?」
「いない」
 英雄は即座に答えた。
「誰もな」
「そうよね」
「長い歴史を持つ国だが」
 それでもというのだ。
「誰一人としてだ」
「いないね」
「そうだ」
 まさにとだ、英雄は桜子に答えた。
「欧州の様なことはなかった」
「今もね」
「狼藉を働けば罪になったがな」
 同性愛でもそうであったのだ、日本では。
「しかしだ」
「それでもよね」
「それ自体が罪になることはな」
「なかったわね」
「未成年に手を出せば罪になってもな」
「同性愛自体ではね」
「なかった」
 まさにというのだ。
「その歴史でな、むしろ痴話喧嘩から刃傷沙汰や敵討ちにだ」
「それはあるわね」
「荒木又右衛門もな」
 敵討ちの代表的な人物だ、三十六人斬りと言われるが実際は四人程を斬ったに過ぎない。現実と創作では違うことの事例の一つである。
「それがはじまりだった」
「それが日本でござるな」
 智も言ってきた。
「まさに」
「そうだな」
「古代ギリシアでもそうした話はあったでござる」
「あちらも普通だったしな」
「同性愛の三角関係もあったでござる」
 ギリシア神話でもあった、オリンポスの主神ゼウスにしても大鷲に変身して美少年を拉致して自身の傍に置いている。水瓶座の逸話である。
「これが」
「日本と同じくな」
「そうでござったな」
「流石に刃傷沙汰や殺人は許さない」 
 罪になるかだとだ、英雄は言い切った。
「しかしな」
「それでもでござるな」
「それ自体で罰することはな」
「決してないでござるな」
「それはない、それでいく」
「蝦夷も然りでござるな」
「当然だ、ただアイヌ達だが」
 英雄は彼等の話もした。 
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