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レーヴァティン

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第二百四十八話 港と港からその六

「そしてそちらでは一人いればな」
「充分かいな」
「そうだ、この世界ではそうした世界でだ」
「奥さん何人おってもええしな」
「そして遊郭もありな」
「そっちでも楽しめるな」
「だが起きた世界ではな」
 そちらではというのだ。
「俺はだ」
「一人おればか」
「充分だ」
「酒池肉林とはいかんか」
「相手が一人でも酒池肉林は出来る」 
 そうした意味での酒池肉林はというのだ。
「別に何人もだ」
「いらんか」
「そうした欲を楽しみたいならな」
 そう願うならというのだ。
「別にだ」
「構わんか」
「一人でもな」
「そうなんやな」
「そしてこの世界では何人もの女を相手にしているが」
 それでもというのだ。
「この世界はこの世界でだ」
「あっちの世界はやな」
「あちらの世界だ」
 起きた世界ではそうだというのだ。
「だからいい」
「それぞれの世界で楽しむか」
「それぞれのやり方でな、俺は女は何人いてもいいが」
 それと共にというのだ。
「一人でもだ」
「ええか」
「そうだ、そして酒や馳走だが」
 本来の意味の酒池肉林の話に戻った、尚実際の酒池肉林は祭事の一つであり殷即ち商を倒した周が脚色し商を悪くし自分達の正当化を主張する為にああした話にしたという説も存在している。
「こちらの世界でもな」
「今のままでやな」
「普通に美味いものを食って飲む」
「普通に出来ている」
 幸正が応えた。
「極めてな」
「俺達はな」
「それならだな」
「別にいい、別に食材に凝らずともな」
 即ちそうしたことで贅沢せずにというのだ、そこも言うのだった。
「美味いものならな」
「構わないな」
「珍味でなくともだ」
「美味いとだな」
「俺は充分だ」
「美味ければだな」
「俺がそう思うものならな」
 そうした食べものならというのだ。 
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