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レーヴァティン

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第二百四十八話 港と港からその五

「酒を買ってだ」
「鶏肉なりを焼けば」
「もうそれでだ」
 まさにそれだけでというのだ。
「酒池肉林なぞだ」
「出来るでござる」
「そうしたものだ」
「焼き鳥買ってや」 
 耕平も話した。
「それでビールでな」
「好きなだけ食って飲めばな」
「もうそれでや」
「酒池肉林だな」
「それになるわ」
「そうだな」
「そうやからやな」
 英雄に笑って尋ねた。
「自分としてはやな」
「酒池肉林はな」
「何でもないな」
「少なくとも起きた世界ではそうだしな」
「まあ今時な」
「何でもないな」
「大昔やとちゃうわ」
 殷代の頃はというのだ。
「その頃は生産力がちゃうかった」
「だから酒や肉もな」
「かなり贅沢なもんやった」
「そうだったな」
「干し肉がな」
 これがというのだ。
「当時は一番のご馳走だったらしいからな」
「そうした状況ではな」
「干し肉をよおさん木々に吊るしてな」
「池を造ってそこに酒を入れるとな」
「途方もない贅沢やった」
「その頃はな、しかしな」
 英雄は耕平に応えて述べた。
「今はだ」
「起きた世界やとな」
「もうそんなものはな」
「何でもないわ」
「焼き鳥でそうしてもいいしな」
「焼き肉でもええわ」
「食い放題飲み放題の店に行ってだ」
 そうした焼き肉屋に行ってというのだ。
「飲んで食えばな」
「まさにそれでな」
「酒池肉林だ」
 それになるというのだ。
「途方もない贅沢どころかな」
「奮発した位やな」
「俺達大学生でもな」
「そうしたものやな」
「だから俺はな」
「そうした贅沢は何でもなくて」
「この世界をな」  
 眠りに入って来るこちらの世界をというのだ。
「救う」
「そうするな」
「起きた世界でそれだけ味わえてな」
「酒池肉林をな」
「実は起きた世界でも女色にはな」
「困ってへんか」
「一人いる」
 英雄はこのことも話した。 
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