ガチゲーマーになった
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第二章
「だからいいよ」
「そのことはですね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「大会とか出ないのかい?」
「あっ、それはないです」
智一は笑って答えた。
「他人と競うんじゃなくて自分が遊びたいんで」
「だからかい」
「俺そうしたゲームはしないですから」
「大会に出る様なゲームはなんだ」
「はい、格闘ゲームとかシューティングは」
そうしたゲームはしないというのだ。
「RPGとかシュミレーションなんですよ」
「そうしたゲームばかりするんだ」
「そうです、ですから」
「大会には出ないんだ」
「はい、まあ実況はしてますけれどね」
スマートフォンに自分のチャンネルを観て話した。
「この通り」
「毎日更新してるね」
「はい、それでこれからもです」
「そうしたゲームをしていくんだ」
「楽しんでいきます」
社長に笑顔で話した、そして実際にだった。
智一はゲームをしていった、そうしてだった。
仕事が終わるとそして休日はゲーム三昧だった、それで彼は家で笑って話した。
「俺はゲームの為に生きてるな」
「ゲームをする為になの」
「ああ、それが生きがいだよ」
寧々に笑顔で話した。
「俺はな、だからな」
「これからもなのね」
「ゲームをして生きていくな」
「それもうゲーマーね」
寧々は呆れつつもそれでも見るべきものを見て兄に言った。
「本当に」
「おい、俺実況はしてるけれど大会には出てないぞ」
「プロじゃないっていうの」
「だからゲーマーじゃないだろ」
「ゲームを楽しんでる人って意味よ」
寧々は自分の言葉を否定した兄にこう返した。
「今私が言うのはね」
「そういうことか」
「そうよ、お兄ちゃんもうね」
それこそというのだ。
「ゲーマーよ」
「ゲームが生きがいで心が楽しんでるならな」
「ええ、それならもう言うことはないわ」
そうした風になっているならというのだ。
「そのままゲーマーでいてね」
「ああ、そうしていくな」
兄は妹に笑って応えた、そうしてゲームをしていって実況も続けていってだった。
生涯ゲーマーであった、その部屋にはいつもゲーム機とソフトがあった。常に頭の中にはゲームがある人生だったが彼はその人生を最高だと言った。
ガチゲーマーになった 完
2022・4・23
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