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レーヴァティン

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第二百四十六話 農業もまたその一

                第二百四十六話  農業もまた
 英雄は仲間達と共に函館の五稜郭に入った、そうしてアイヌの諸部族を幕府に入れていきつつだった。
 その政も進めていた、道を敷き城を築き港も整えるが。
 農業もはじめていた、だが。
「米はな」
「この寒さではでござるな」
「育ちにくいな」
「どうしても」
 智が答えた。
「それで、でござる」
「他の作物を植えていくべきだな」
「麦に」
 それにというのだ。
「ジャガイモ、玉蜀黍等でござる」
「そうしたものを栽培させてだな」
「大いにででござる」
「農業を行うべきだな」
「果物ではメロンもでござる」
 智は果物の話もした。
「こちらも」
「作れるな」
「はい、蝦夷は」
「そして酪農もな」
「蝦夷は向いているでござる」
「だからだな」
「農業に加えて」
 それにというのだ。
「牛や豚、馬に羊と」
「大いに酪農をさせてな」
「肉も皮もそして」
「乳製品もな」
「作ってもらうでござる」
「これまでも各地で酪農をさせていたが」
 英雄は智の言葉に腕を組んで述べた。
「やはりな」
「ここはでござる」
「蝦夷は特に向いているからな」
「どんどん牛や豚や馬を持って来てでござる」
「羊もな」
「酪農をしてもらうでござる」
「そうするか、それとだ」 
 英雄はここで気付いて言った。
「てんさいもな」
「砂糖大根でござるな」
「あれも作らせてな」
「砂糖もでござるな」
「作らせてな」
 そうしてというのだ。
「そしてだ」
「そのうえで、でござるな」
「豊かになってもらう」
「ここに入った百姓達も」
「そうする、ただ獣や魔物の退治は今も行っているが」
「それまで以上にござるな」
「行う、アイヌ達の願いを受けるより前に」  
 英雄は強い声で話した。
「率先してな」
「行うな」 
 耕平も応えてきた。
「そうするな」
「さもないとな」
「村が獣とかに襲われてな」
「惨事になりかねない」
「実際にそうした話あるしな」
「起きた世界でな」
「羆嵐や」
 耕平は深刻な顔で話した。 
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