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レーヴァティン

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第二百三十八話 北に集結その三

「本当にね」
「皇帝と王は違うな」
「この浮島を統一して治めたいなら」
 それならというのだ。
「王じゃなくて」
「皇帝だね」
「それがいいな」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「皇帝でよかったよ」
「本当にそうだな、しかし」
「しかし?」
「俺最初は王でもな」
「いいって思っていたね」
「本当に最初の頃はな」 
 旗揚げ前のことである。
「そうだったよ」
「皇帝と王の違いがわかってなくて」
「今一つな、だからな」 
 その為にというのだ。
「そうだったんだよ」
「けれどだね」
「ああ、それがわかってな」
 皇帝と王との違い、まさにそれがというのだ。
「皇帝の方がいいってな」
「わかったんだ」
「それでだよ」
「帝国にしたんだね」
「そうした考えもあったんだよ」
「成程ね」
「しかし帝国にしてよかった、最初は王様も降したら公爵にしてたが」 
 その位を落としてというのだ。
「やっぱり敗れても不満そうだったしな」
「王に戻したね」
「ああ、そしてな」
 それでというのだ。
「今は皆いてもらってるからな」
「天に二日なしにしても」
 留奈が言ってきた。
「それは皇帝のことよ」
「王様は何人いてもな」
「いいのよ」
「本当にそうだな」
「だから中国ではね」
 この国ではというのだ。
「原則的にしても」
「皇帝は一人だったな」
「そうよ、そしてこの浮島でも」
「皇帝は俺だけか」
「そうなるわ」
「若し皇帝を名乗る奴がいたら」
「それはね」 
 絶対にというのだ。
「帝国としてはよ」
「許さないことだな」
「ええ、帝国の秩序が乱れるから」
「それも決定的にだな」
「何処かの領主がそう名乗って反乱を起こしたら」
 その時はというのだ。
「倒すしかね」
「ないな」
「ええ、農民反乱が起こって」
「それでその首領が名乗ってもか」
「同じよ」
「そうだよな」
「まあそもそも反乱を起こさせないことだけれど」 
 大事なことはというのだ。
「最初からね」
「それだよな」
 久志もその通りだと答えた。
「結局は」
「そや、皇帝を二人出さん様にするのは政や」
 美奈代は笑って話した。 
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