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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結

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16-⑸

 その日、お義母さんに教わったちらし寿司を作って、串カツをお父さんのために揚げていたら、蒼が帰ってきた。

「美鈴 決まったんだよ 丼2品が都心のスーパーに置いてもらえることになった。漁港の食品スーパーでも好調だし、増産が決まった。それと、新しい、あんかけオムレツと野菜あんかけの方も興味を持ってくれているとこ数社出て来た」と、帰ってくるなり嬉しそうに話し掛けて来た。

 私は、串カツを揚げていたので、

「ごめん 後で、ゆっくり聞かせて ごめんネ」と、言ったら、お父さんと話していた。私も、蒼に報告があるので、落ち着いてじゃぁなければならないのだ。

 そのうち、お父さんが

「ワシは、昼間、銭湯に行ってきたから、もう、寝るよ」と、言って、自分の部屋に行ってしまった。

「私ね、あんかけオムレツ好きなのよ。それにね、ご飯の部分が丼の容器に入っているじゃない。あれって、独り生活には良いんじゃぁ無いかしら」

「そうなんだよ あの形態には、こだわったんだ。それにな、オムレツとあんは別の袋なんだよ。オムレツはレンジでふんわり仕上がるようにしてあるんだ。手間かかるんだけど、その分おいしいと思うけど、売れて欲しいんだ」

「うん 食べてくれたら、きっとおいしいと思うんだけどね でも、私は、あのご飯を丼容器にしたのは、良いと思うわ 照焼と焼き鳥のは、袋だったんでしょ ああいうのは、女の子には、抵抗あるかも だから、売り先を考えて営業している中林さんも、苦労しているんでしょうね」

「そうだよ 今は、地方にうどんの2品を売り込みしている お年寄りには、うどんのほうがいいんだってな」

「順調なのね 良かった 頑張ってたものね」

「うん だけどな、社長から、オムレツの奴 自社生産で考えろって、言われているんだ あれは、協力会社の人からも、色々と試作を重ねてきたから、いまさら、申し訳なくてな 心が痛いんだ」

「うーん 色々 難しいことあるんだね でも、社長さんが言うんじゃぁしょうがないよ 蒼のせいじゃぁないんだし・・他のは、そっちに廻すんだし」

「そうなんだけど、まぁ そっちの方が、生産が追われるようになって欲しいよ」

「あのさー 落ち着いてね 蒼 聞いて 私 赤ちゃん 出来ちゃった」

「えぇー できたのか やったねー 美鈴 元気なんだろー?」

「うん 順調 いまのところ 秋には産まれるわ」

「そうか でも、店の方 無理すんなよ みんなに任せてな」

「徐々にね 考えて行くわ 私 母親になるなんて 実感ないんだけど・・」

「ダメだよ これからは、赤ちゃん 第一なんだから 嬉しいよ 美鈴 女かな男かなー」



 
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