八条学園騒動記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第六百四十六話 最後はカレーその六
「もう何もないところからね」
「僅か十数年で、です」
「国家元首になってるから」
「能力に運があったので」
この二つを兼ね備えていたというのだ。
「ですから」
「当時のマウリア、インドよね」
「はい、インドに生まれていれば」
「凄いことになっていたのね」
「ガンジーと並んで」
そうしてというのだ。
「ネールも同志にして」
「インドを独立させた?」
「そしてその後はです」
独立させた後はというのだ。
「インドを一つにし発展の下地もです」
「築いていたの」
「ヒンズー教とイスラム教の融和はわかりませんが」
インドは独立の時に分裂している、パキスタンとだ。尚パキスタンは当初は東西に領土があったが後に東部がバングラデシュとしてそのパキスタンから独立している。
「しかしです」
「それでもなのね」
「インドに大きな貢献を果たしたでしょう」
「そう思われているのね」
「戦争をしたかも知れませんが」
それでもというのだ。
「そうしてくれた筈です」
「そう思われているからなの」
「マウリアではヒトラーの評価は高いです」
「連合と違って」
「インドに好意的でしたし禁欲的でもあったのね」
「兎に角禁欲的なのは事実か」
フックは顔を顰めさせて述べた。
「ヒトラーは」
「お酒も煙草も嗜まない菜食職主義者で女性にも清潔でしたから」
「それでか」
「残念ですがガンジーは女性については」
セーラは少し苦笑いになって述べた。
「他のことは素晴らしいのですが」
「よくなかったか」
「女性は好きだったとのことです」
「そうだったのか」
「ヒンズー教の教えでは別段問題でもなく今もそう考えられていますが」
それでもというのだ。
「時折そのことを他の国の人から言われます」
「女好きだったって」
「ヒンズー教では女性が好きでも問題はありません」
カーマストラというものすらある、性を学びそこから大きなものを得んとする考えと言うものであろうか。
「ですから」
「それでなのね」
今度はアンが応えた。
「ガンジーさんの女好きは」
「ヒンズー教では問題はありませんが」
「それを言われることがあるのね」
「はい、しかしヒトラーは」
その彼はというと。
「その女性についてもです」
「清潔だったからなのね」
「このことも評価されています」
「確かに女性のお話少ない人ね」
「左様ですね」
「実はもてたらしいけれど」
「人類の歴史上最ももてた人の一人かと」
セーラはヒトラーについてこうも言った。
「彼は」
「カエサルとか以上に」
「圧倒的な支持を得ていましたが」
ドイツ国民からのそれによって政権を握っている。
「その半分が女性ですね」
「そういうことね」
「はい、女性にもてたこともあってです」
「政権に就けたから」
「ヒトラーはもてたとです」
その様にというのだ。
ページ上へ戻る