| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百三十四話 手を出さないものその十

「木材もなくなるし山もな」
「禿山になるわ」
「そうなれば雨が降るとだ」
 その時にとだ、香織は桜子に話した。
「そのまま山の土が流れてだ」
「土砂崩れにもなるしね」
「そこに生きものもいなくなりな」
「自然もなくなるわ」
「山にいい土があってもな」
「全部流れるわ」
「そうなってはな」
 最早というのだ。
「どうにもならない、土砂崩れという災害を防ぐ為でもあり」
「木材の確保にね」
「山にいる獣や木の実、茸の糧を得て」
「いい土も護るわね」
「そして木が水を溜めてくれる」
 雨が降ってもというのだ。
「それがいざという時の恵みにもなる」
「だから手間と人手と銭がかかっても」
「植林はせねばならない」
 絶対にというのだ。
「木は大いに限る」
「環境の保護ね」
「またこれから消防員も置くしな」
 警官と共にというのだ。
「山火事が起こってもな」
「それにあたらせるわね」
「そうする」
 そうしたことも行うというのだ。
「これからはな」
「植林も国を豊かにしますね」
 紅葉はしみじみとした口調で述べた。
「まことに」
「その通りだな」
「はい、遠回りですが」
「しかし確実にだ」
「国を豊かにします」
「だからしていく、そもそも木は必要だ」
 絶対にというのだ。
「建物を築き紙にもなる」
「はい、何事にもです」
「木は使う、紙に使うならな」 
 英雄はこちらのことも話した。
「特にだ」
「使いますね」
「紙はあらゆることに使うからな」
「実に多くのことに」
「その紙に木が使われるならな」
「木はどれだけでも使います」
「なら切ったその傍からだ」
 まさにというのだ。
「植林していく」
「そうするものですね」
「そうだ」
「政として」
「そうする、だからな」
「これからもですね」
「それをしていく」
 進めていくというのだ。
「植林をな」
「幕府の領地全体で」
「出来れば薩摩等にもな」
 この国等にもというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧