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レーヴァティン

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第二百三十四話 手を出さないものその八

「まさにな」
「そうなるっちゃよ」
「事実そうした事件もあったしな」
「そうっちゃ」
 愛実は深刻さを保ったまま答えた。
「そこまで恐ろしいっちゃ」
「羆は獅子や虎よりも強い」
「そのことも忘れてはいけないっちゃ」
「それが狂っているとなるとな」
「放ってはおけないっちゃな」
「ならだ」
「退治するしかないっちゃな」
「俺達の誰かが行くか」
 若しくはというのだ。
「幕府の腕利きをな」
「パーティーを組んでっちゃな」
「そのパーティーも幾つか組んでな」 
 何パーティーか編成してというのだ。
「蝦夷に送ってだ」
「退治させるっちゃ」
「そうする」
「そうして民の憂いを取り除くっちゃな」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そうする」
「それではね」
 香織が言ってきた。
「今からその話をたいね」
「するか」
「そうするね」
「ああ、俺達が行くとしたら」
 英雄は香織に応えて述べた。
「誰が行く」
「私が行くとよ」
 香織は笑顔で申し出た。
「今言ったから丁度よかとよ」
「そう言うか」
「そうたい、今急ぎの政もないたい」
 こちらの仕事もというのだ。
「だからたい」
「行くか」
「そうしていいたいか」
「いや、お前は実はこれから頼みたい仕事がある」
 英雄はその香織に沈着な声で答えた。
「だからな」
「私は駄目たいか」
「大宰府に行ってだ」
 そのうえでというのだ。
「博多と福岡の統合を進めてくれ」
「町人と武家のそれぞれの町をたいな」
「そうしてあの辺りの商いをだ」
「よりよくするたいな」
「そうしてもらう、そして今星の者で手が空いているのは」
 先を見据えてだ、英雄は述べた。
「いないか」
「皆それぞれ仕事を持っているか」
 奈央が言ってきた。
「すぐになのね」
「頼みたいものがある」
「だからなのね」
「ここにいる者は送れないか」
 今考えると、というのだ。
「そうだな、ではだ」
「腕利きにパーティーを組んでもらって」
「そのパーティーを何組も組んでな」
 そうしてというのだ。
「蝦夷に送ってだ」
「退治させるわね」
「その顔触れは俺が選ぶ」
 英雄自身がというのだ。
「そしてだ」
「蝦夷にまでなのね」
「すぐに送ってだ」
 そうしてというのだ。
「その羆を退治させる」
「蝦夷の民の為に」
「そうする、まだ本州や四国、九州、琉球でもだ」
「そうした厄介な獣や魔物は」
「これまで以上にな」
 今もしているがというのだ。 
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