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レーヴァティン

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第二百三十二話 北の端までその十三

「そうしてくで」
「ではな」
「むしろここからたい」
 香織も英雄に言ってきた。
「大事なのは」
「戦が終わったな」
「その後たい」
「その通りだな」
「だからたい」
「俺達全員でだな」
「どうするか話していくとよ」 
 こう言うのだった、
「そして決めてたい」
「進めていくな」
「そうするたい、奥羽はまだまだ治めるべきところが多かとよ」
「道も狭く田畑もな」
「もっと増やせるたい」
「それもかなりな」
「寒いので飢饉もあるとよ」
 冷害が起こってというのだ。
「それにどうするかたい」
「そうしたことも考えていかないとな」
「そうたい」
 まさにというのだ。
「考えていくとよ」
「是非な」
「寒さに強い作物を植えて牧場もうんと増やして」
 そうしてというのだ。
「お肉にお乳にたい」
「卵もだな」
「沢山食べられる様にするとよ」
「牛や豚も寒さに強いものを入れるな」
「そうするたい、そしてたい」
 香織はさらに言った。
「商業や漁業もたい」
「よくしていくな」
「道や港を整えて」
 今以上にというのだ。
「そうするとよ」
「そしてだな」
「豊かにするとよ、寒か場所もどんどん手を加えれば」
「豊かになるな」
「何もしなかったら何にもならんとよ」
 豊かにもならないというのだ、何もしないで豊かになることはない。香織は政のこのことを強く言うのだった。
「だからたい」
「ここはだな」
「そうしていくとよ」
「政をしていくな」
「そうたい」
「それとっちゃ」 
 愛実も言ってきた。
「奥羽の国人達もっちゃ」
「どう治めていくかだな」
「平泉のあの家はどうするっちゃ」
 主な敵であった彼等はというのだ。
「一体」
「その領土は削る、金山も幕府の直轄とする」 
 英雄は愛実に即座に答えた。
「領土は半分にな、そして力を削ぎ」
「そうしてっちゃな」
「幕府に加える、位は高くするが」
 それでもというのだ。
「力はな」
「削いでっちゃな」
「馬もな」
 武の柱であったそれもというのだ。
「幕府のものとする」
「そして二度と幕府に逆らえない様にするっちゃ」
「逆らいそうな相手の爪は切ることだ」 
 即ちその武器を取り上げるというのだ。
「そして牙もだ」
「抜くっちゃな」
「そのうえで太らせる」
「食べものは多くっちゃな」
「与えてな」
「逆らう気を奪うっちゃな」
「武器を奪い飯や金は弾む」
 この二つの政を共に進めるというのだ。 
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