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レーヴァティン

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第二百三十一話 平泉からその十一

 英雄は政の傍らで書も読んでいった、そうしてこの世界のことをより知っていった。そうしてだった。
 建てられていく天守閣を見つつ幕臣達に話した。
「二つの浮島はこの世界でどれだけ特異かわかってきた」
「今この世界にあるのは二つの世界だけで」
「それで、ですね」
「人は人間だけです」
「種族もそうなっています」
「何故そうなったか」 
 二つの浮島がというのだ。
「二つの浮島にいたのが人間達だけでな」
「浮島であり長い間地図に載っておらず」
「そしてそれぞれ独自の発展を続けてきました」
「文かはそれぞれ日本と欧州のもので」
「そうなってきてです」
 幕臣達は英雄に話した。
「世界が統一された時に二つの浮島もその中に入りました」
「その存在が明らかになり」
「ですがそれからも他の種族の移住はなく」
「独自の発展を続けてきています」
「浮島であることも大きいな」
 英雄は考えつつ述べた。
「他の世界との交流が薄いのは」
「空船では行き来出来ます」
「そして術でも」
「それが出来ますが」
「それでもです」
「孤島だな」
 まさにというのだ。
「知られていても」
「高度も違いますし」
「他の浮島とは」
「この浮島と西の浮島はかなり高い場所にあります」
「他の浮島に比べてかなり」
「そのこともあるか、そういえばだ」
 ここでだった、英雄は。
 南の方を見た、そうして言った。
「塔のかなり上の方にあるな」
「地下世界から天空まで続いているあの塔ですね」
「あらゆる神仏に精霊が集っている塔に」
「頂点まで行けば天界に辿り着くというあの塔から見ても」
「そうだな、そこまで高い場所にあるなら」
 英雄はこのことからも考えた。
「当然か」
「はい、どうしてもです」
「二つの浮島まで辿り着こうという者も少なく」
「世界が石になり海になった時たまたま二つの世界に他の世界から来た者は全て出ていました」
「僅かな者がいましたが」
「それは偶然でしたが」
「そういうことか、そしてこの浮島の名だが」
 英雄は鋭い顔になって述べた。
「ムーというな」
「西の浮島の名はアトランティスといいます」
「そういいます」
「今世界にある二つの浮島です」
「ただ二つとなっています」
「そのこともわかった、そのムーを統一したならばだ」
 英雄は強い声で語った。
「その次はな」
「書をさらに読まれ」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「下の海を見て回る」
「そうされますね」
「そして魔神を見付け出し」
 そうしてというのだ。
「アトランティスにいる久志達と共にな」
「魔神を倒しますね」
「あの海の魔神を」
「必ずや」
「そうする、そしてだ」 
 そのうえでというのだ。
「この世界を救う」
「宜しくお願いします」
「その様にお願いします」
「海の魔神を倒し」
「この世界をお救い下さい」
「そうする、二つの浮島の誰もがそれぞれがあればいいと思っていない」
 このこともだ、英雄は語った。 
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