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レーヴァティン

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第二百三十一話 平泉からその三

「俺は何人に与えるかではなくな」
「よく働いた者にですね」
「誰でもですね」
「何人にもですね」
「褒美を与えますね」
「よい働きをした者には」
「そうする、よい働きをした者は誰でもでだ」
 そしてというのだ。
「何人でもな」
「褒美を与え」
「そうしてまた頑張ってもらう」
「そうしていきますね」
「そうしていく、それとだ」
 英雄はさらに言った。
「頑張ってはもらうが無理はさせるな」
「決してですね」
「疲れていれば休め」
「左様ですね」
「そうさせますね」
「疲れた時の無理は怪我の元だ」
 だからだというのだ。
「術で回復出来てもな」
「やはりですね」
「怪我はしないに越したことはないですね」
「だからこそですね」
「無理はさせないですね」
「どうしてもという時もある」
 無理をしなければならない時もというのだ。
「しかしな」
「それでもですね」
「普段はそうせずともいいですね」
「今の様な時は」
「それでいいですね」
「無理をしないでいい時はするな、そしてだ」 
 英雄はさらに話した。
「その時の見極めもすることだ」
「無理をしていい時としてはいけない時」
「その時も見極めることですね」
「そのうえで働き、ですね」
「働くことですね」
「そういうことだ、今はしなくていい」
 無理はというのだ。
「だからそうする、ではこのままな」
「天守閣もですね」
「そちらもですね」
「築いていきますね」
「このままそうしますね」
「そうする」 
 こう言ってだった。
 英雄は見ても回った、さぼっている者は彼が姿を消して見えない様にして見て回ってもいなかった。
 それでだ、彼はこうも言った。
「やはり褒美だ」
「それを弾み」
「よく働けばさらに貰える」
「そうすればですね」
「誰かに監督されていなくても多くの者はな」
 確かな声で言った。
「よく働く」
「そうですね」
「褒美は大きいですね」
「それがあるとです」
「皆よく働きます」
「そして監督も付ければ」
 それもというのだ。
「尚いい、鞭は必要ないがな」
「そうして働かせずともいい」
「そうですね」
「ただ見ているだけでいいですね」
「そして必要なら叱るだけで」
「それでいい、見ている者がいるだけでだ」
 それでというのだ。 
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