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レーヴァティン

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第二百三十話 飢饉その七

「しかとな」
「汁も飲む」
「そうべきですか」
「ホヤについては」
「そういうことだ」
 まさにというのだ。
「いいな」
「わかりました」
「それではです」
「その様にします」
「我々も」
 幕臣達も頷いた、そしてだった。
 英雄はホヤを食った夜も女達を抱いた、そして。
 そこでだ、こうも言ったのだった。
「ホヤもいい」
「美味しいですか、ホヤは」
「そうなのですか」
「珍味と言われるが」
 その食べた後での言葉だ。
「美味と言っていい、それにだ」
「それに?」
「それにといいますと」
「ホヤは保夜という」 
 漢字ではとだ、抱いた女達に囲まれつつ話した。
「夜を保つということだからな」
「それで、ですね」
「夜の営みにも役立つ」
「そうなのですね」
「そう言われているがその通りだ」
 食べてみての言葉だ。
「まことにな、だからな」
「それで、ですね」
「上様は今満足されていますね」
「夜を楽しめる力になったので」
「それ故に」
「非常にな、そしてだ」
 それにとだ、英雄はさらに話した。
「俺はよく山芋も食べている」
「そして生姜もですね」
「大蒜もよく召し上がられているとか」
「そして獣の肝等内臓も」
「そう聞いていますが」
「その通りだ、こうしたものは美味くだ」
 そうしてというのだ。
「しかも精がつく」
「だからいいですね」
「他にはスッポン等も召し上がられていますね」
「そして卵も」
「他には鰻や鯉も」
「そうしたものをよく食うとだ」 
 そうすればというのだ。
「精がつきそしてな」
「夜も楽しく過ごせる」
「だからよく召し上がられていますね」
「他の野菜や魚、肉もよく召し上がられていて」
「そうしたものもですね」
「そういうことだ、そしてホヤはだ」
 女達にあらためて話した。
「よかった」
「そうでしたね」
「非常に美味かった」
「そのうえで夜にもいい」
「非常にいいものですね」
「汁まで飲んだしな」
 ホヤのそれもというのだ。
「尚更よかった、夜だけでなくな」
「昼もですね」
「働く力になる」
「そうしたものですね」
「だから精のつくものはいい、だが過ぎるとな」
 その精のつくものがというのだ。 
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