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レーヴァティン

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第二百二十八話 建て直しその七

「俺はな」
「そうだよね」
「鎌倉はな」
 即ち頼朝はというのだ。
「あまりにも冷酷でだ」
「ああしたことをすれば」
「その時はいいかも知れないが」
 それでもというのだ。
「因果は巡りな」
「やがてはね」
「ああなる」
 何もなくなるというのだ。
「無闇に酷薄にはならないことだ」
「やっぱりそうだね」
「俺は鎌倉を反面教師にしている」
 頼朝、彼をというのだ。
「そしてだ」
「治めているね」
「そしてだ」 
 そのうえでというのだ。
「奥羽でもな」
「そうしていくわね」
「右大臣かな」
 信長のことである、彼の官位からそう呼ばれていた。
「入道が手本だ」
「そうよね」
「そうしていく、ではな」
「このままね」
「降る者はよしでな」
「戦おうとも」
「基本はな」 
 その者があくまで首を横に振るか外道でない限りはというのだ。
「そうしていく」
「それじゃあね」
「ことを進めていくぞ」
「これからもね」
「奥羽は人は確かに少ないが」
 即ち敵兵の数はというのだ。
「しかし広くな」
「今は冬だしね」
「その二つは注意する」
「冬の寒さと雪にはもう備えてるけれどね」
 桜子は砕けた声と姿勢で述べた。
「しかしね」
「それでもな」
「気をつけないと体調を崩すからね」
「それだけでも厄介だがな」
「凍死なんてこともね」
「実際にある」
 そこまでの寒さだというのだ。
「だからな」
「寒さにもね」
「引き続きな」
「気をつけていくね」
「そうしていく」 
 こう言うのだった。
「これよりな、しかし平泉だが」
「磐井じゃな」
 当季は地名を出して応えた。
「あそこじゃのう」
「起きた世界での岩手だな」
「そうじゃな」
「思えば仙台の方もな」
「平泉の勢力ぜよ」
「そうだ、仙台からな」
「平泉までぜよ」
 そこまでというのだ。
「巨大な勢力を持っちょる」
「まさにこの奥羽最大の勢力だ」
「そこにどう対するかぜよ」
「それが課題だが」
「やっぱりここぜよ」
 当季は会津もと述べた。
「ここを拠点にしてぜよ」
「攻めていくべきだな」
「そうぜよ、そして」 
 そのうえでというのだ。 
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