| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百二十六話 関を通りその二

「この通りぜよ」
「雪が降ってきてな」
「えらく積もっちょる」
「予想通りだな」
「この雪は春までなくならないぜよ」
「溶けないな」
「そうぜよ、だからぜよ」
 英雄に話した。
「これからぜよ」
「この雪の道を進むしかないな」
「そうぜよ」
 まさにというのだ。
「そこはいいのう」
「承知していたしな」
「よし、このまま進むぜよ」
「藁靴も用意したしな」
 こちらもというのだ。
「俺達も雪に強くなった」
「ならぜよ」
「臆することなく進む、油断はしないが」
「それでもぜよ」
「臆することなくだ」
 あくまでというのだ。
「自然は恐れるものではない」
「理解するものじゃな」
「そして共にいるものだ」
 こう言うのだった。
「だからな」
「それでじゃな」
「そうだ、だからな」
「雪にも備えてじゃな」
「そして進むぞ」
「それで目の前の敵じゃが」
「会津まではいないな」
 英雄も言った。
「そうだな」
「そして幕府に逆らう国人や大名はのう」
「この辺りの者達の中でな」
「会津に集まってぜよ」
 これから攻めるこの地にというのだ。
「そうしてぜよ」
「戦うつもりだな」
「そうぜよ、それならじゃのう」
「こちらも受けて立つ」
「会津若松城攻めるぜよ」
「そうする」
 英雄は当季に答えた。
「あの城をな」
「まあ絶対にあの城では戦になるわ」
 耕平は強い声で述べた。
「そやから前からな」
「あの城の方にも密偵を送っていたな」
「そうしとったからな」
 だからだというのだ。
「あの城のことは本丸まで調べた」
「本丸までか」
「惣構えででかくてな」
 城のことを具体的に話した。
「堅固やが」
「本丸までわかっているか」
「そやからな」
「攻め落とせるか」
「損害を最小限に抑えて」
 耕平は英雄ににやりと笑って話した。
「出来るで」
「それは何よりだ、ではな」
「あの城に着いたら」
「囲んだうえでだ」
「攻めるな」
「そうする、その時にも頼む」
「ああ、城の縄張りも調べてな」
「わかっているな」
「そやからな」
 それでというのだ。
「その時に詳しくな」
「ああ、見せてもらう」
「縄張りの図もな」
「何も知らないでが攻め落とせないが」
 それでもとだ、英雄は話した。
「攻め落とせても損害を出すが」
「しかしだな」
「それでもな」
「その内情がわかってるとな」
「随分楽になる」
 こう言うのだった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧