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レーヴァティン

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第二百二十四話 大雪はその三

「あの地面を完全に掌握してな」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「治める」
「そうしますね」
「奥羽は関東より遥かに道も橋も整っておらず」
 そしてというのだ。
「田畑も街も港もな」
「全てですね」
「関東と比べてもですね」
「整っていない」
「それならですね」
「腰を据えてだ」
 そのうえでというのだ。
「治める必要がある」
「だからこそですね」
「ここはしかと治めますね」
「奥羽を掌握したなら」
「そうしていきますね」
「そして豊かにする」
 この地域もというのだ。
「いいな」
「わかりました」
「では戦の後のこともですね」
「そちらのことも考えていきますね」
「これまでと同じく」
「むしろそちらだ」
 大事なことはとだ、英雄は言い切った。
「政の方がな」
「重要ですね」
「戦に勝つよりも」
「それからのことですね」
「そうだ、無論勝たねばならないが」
 これは絶対だがというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「それだけに終わらない」
「そこからさらにですね」
「どうするか」
「そのことをより考える」
「俺達はこの浮島の統一が最後の目的ではない」
 英雄は奉行達にこのことも告げた。
「そうだな」
「はい、確かに」
「我等の目的は海の魔神を倒すことです」
「この世界の殆どを石に変えて海の中に沈めている」
「あの魔神を倒すことです」
「その力を得る為にだ」
 まさにその為にというのだ。
「だからな」
「政もしていますね」
「国を豊かにしそこから金を得て」
「その金でよい装備を手に入れる」
「その装備で兵を整える」
「強くする為に」
「それ故にだ」 
 まさにというのだ。
「俺達はこの浮島の統一を進めている」
「統一が目的ではない」
「その先にあるものですね」
「だからですね」
「戦に勝つだけではない」
「むしろそこから先が重要ですね」
「そういうことだ、ではその考えの下だ」
 それに基づいてというのだ。
「戦の準備をしていくぞ」
「わかりました」
「では戦の用意を進めていきましょう」
「水戸城に兵を集め」
「江戸城を最大拠点にしますね」
「その様にする、江戸城はだ」
 関東もっと言えば東国最大のこの城はというと。
「その為の城だしな」
「関東を治める軸にして」
「そして戦の際の要害でもある」
「それならですね」
「ここはですね」
「水戸城は拠点だが江戸城はそれを支える要害だ」
 こう言い切った。 
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