レーヴァティン

「それを全て果たす戦だ」
「だからですね」
「手に入れるのは奥羽全土で」
「蝦夷はまだですね」
「次の機会ですね」
「蝦夷は人は少ないが広い」
　だからだというのだ。
「それでだ」
「あの地はですね」
「次の機会ですね」
「今は攻めない」
「そうしますね」
「そうだ」
　その考えを言うのだった。
「いいな」
「つまり奥羽だけを考える」
「それだけですね」
「だからですね」
「この度はですね」
「奥羽を手に入れ」
　そしてというのだ。
「それから治める」
「そうされますね」
「この度も」
「ただ国を手に入れるだけでなく」
「さらにですね」
「治める」
　このことも目的だというのだ。
「だからな」
「今はですね」
「奥羽を手に入れ治める」
「それを目指しますね」
「左様ですね」
「その為の戦だ」
　この度はというのだ。
「だからな」
「蝦夷まではですね」
「決してですね」
「進みませんね」
「何があっても」
「蝦夷には一隻の船も向けるな」
　そちらにはというのだ。
「あちらから来れば追い返すが」
「それでもですね」
「今は蝦夷には攻め入らない」
「あの大きな島には」
「そうしますね」
「一気に進められるかも知れないが」
　蝦夷まで併呑出来る可能性はあるというのだ、英雄は奉行達にそれはどうしてなのかも話していった。
「今の幕府の力ならな」
「もう関東も掌握しました」
「その政も整いました」
「この浮島の七割を掌握しました」
「そこまで力を得ますと」
「それならですね」
「奥羽だけでなく蝦夷もだ」
　こちらもというのだ。
「併呑してだ」
「治められる」
「その可能性はありますね」
「確かにそうですね」
「今の幕府なら」
「しかしことは慎重に進めるべきでだ」
　そしてとだ、英雄は話した。
「そうしてだ」
「そのうえで、ですね」
「確実に進める」
「そうあるべきで」
「この度はですね」
「奥羽でだ」
　この地域のみでというのだ。