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レーヴァティン

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第二百十九話 四国分裂その六

「人を見る目もあるし」
「妙な魅力もあってな」
「政治家ならね」
 それならというのだ。
「その国の為にはね」
「働いてくれるか」
「ちゃんとね」
「だからいいか」
「糞爺と屑は違う」
 正も言った。
「これは糞婆でもだ」
「何か違うんだよな」
「屑はただ害毒を垂れ流し迷惑を撒き散らす」
「そうした奴だな」
「そう呼ぶ時も完全な嫌悪のうえだ」
 屑という言葉に含まれるそれはというのだ。
「それで言われる」
「そうしたものか」
「しかし糞爺や糞婆はな」
「まだか」
「愛嬌がある、だからな」
「あの糞爺もか」
「まだましだ、屑は絶対に用いてはならないが」
 しかしというのだ。
「糞爺ならな」
「用いていいんだな」
「淳二も言ったが」
 正は彼も見て述べた。
「糞爺位ならだ」
「用いてもいいか」
「どう使うかだ」
「それが問題か」
「確かに人格は問題だらけでな」
「最低だけれどな」
「屑でないならな」
 最早どうしようもないと言っていい輩でないならというのだ。
「いい」
「そうなんだな」
「あの爺さんは帝国にいてもだ」
「いい仕事してくれるか」
「幸い自分の権勢や富には興味がない」
「名誉欲とかはあってもか」
「食い意地も張ってるが」  
 作中ではやたらと食べている。
「しかしだ」
「それでもか」
「あれでだ」
「人の道は踏み外してもないな」
「よく見るとな」
「そこが救いだな」
「まだな、だから俺もだ」 
 淳二と同じくというのだ。
「身内にいて欲しくないが」
「役に立つ人だとはか」
「思う、強いしな」
「そうなんだよな、あの爺さん強いしな」
 作中では七段である。
「そのこともな」
「役に立つ」
「ああした人もいるんだな」
「流石にそうはいないと思うがな」
 それでもというのだ。
「いるとだ」
「そうだよな」
「それはそれでな」
「役に立つか」
「そうした人だと思う」
「とんでもない奴でもな」
「とんでもない位ならまだいいな」
 久志を見て問うた。
「まだ」
「ああ、屑でないとな」
「屑になるとだ」
 性根が徹底的に腐りきった輩はというのだ。 
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