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レーヴァティン

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第二百十九話 四国分裂その五

「ああいうのが親戚だとな」
「大変だよ」
「そうだよな」
「自己顕示欲も強い」
「同じ作者さんの次の作品の兄貴も屑だったけれどな」
「テニスの漫画だね」
「あの兄貴はやること全部屑でな」
 その柔道家と違ってだ。
「悪巧みはしなくてもな」
「もう全部災いになる」
「悪質なトラブルメーカーだったぜ」
「それであの兄貴も最悪だったね」
「ああ、そしてな」
 久志はさらに言った。
「兎に角あの爺はな」
「糞爺だね」
「それであそこまでの糞爺になるにもな」
「一日にして成らずだね」
「何事もな、そして政も」
 こちらもというのだ。
「やっぱりな」
「土台も築いてだし」
「一日じゃな」
「成らないね」
「ああ、本当にな」
「だからね」
「地道にやることだな」
 久志は強い声で言った。
「あの糞爺もそれはしてるしな」
「そうだね、本当にああいう爺ちゃんこそね」
「戦争で死ぬべきだったな」
「おいらも思うよ」 
 それも強くだ。
「それがね」
「ああした爺が生き残ってな」
「立派な人は死んだんだよ」
「難儀なことだな」
「まああれでどうしようもないかっていうと」
 糞爺は糞爺だがだ。
「これがね」
「妙に愛嬌あるんだよな」
「ドスケベで自己顕示欲の塊で野心家でね」
「自分のことしか考えてなくてな」
「謀略家で孫娘を利用し尽すけれど」
 つまり人間として最低だがというのだ。
「けれどね」
「妙に愛嬌があってな」
「憎めないところもね」
「あるんだよな」
「それがせめてもの救いだね」
「作者さんのキャラ造りの上手さが出てるね」
「あの人の作品面白いしな」
 この作品に限らずだ。
「だからな」
「うん、あの爺ちゃんもね」
「見事な糞爺でもな」
「妙に憎めないところもあるね」
「作品もコメディータッチな部分多いしな」
「その作品にも合ってるね」
「そうなんだよな、まああの爺が俺の爺ちゃんだったら嫌だけれどな」
 その場合はとだ、久志は笑って話した。
「絶対に」
「それはおいらもだよ」
「やっぱりそうだよな」
「糞爺なのは事実だしね、ただおいらはあの爺ちゃんが政治家でもね」
「いいか」
「確かに私利私欲の塊だけれど」
 孫娘をその為に利用する様な人間だがというのだ。
「能力は高いし屑かっていうと」
「そこまでいかねえんだよな」
「糞爺と屑は違うから」
「孫娘も柔道してればいいしな」
「それ以外は干渉しないしね」 
 ただし柔道のことについてはありとあらゆる謀略を使う、そしてそれがことごとく成功するという人物だ。 
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