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レーヴァティン

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第二百十八話 上陸作戦その十

「リバプールも手に入れて」
「イングランドの全土を」
「掌握するな」
「それでは」
「進撃だ」 
 こう言ってだった。
 久志はロンドンとその周りを掌握してだった。
 リバプールへの進軍の準備に入った、その間に四国それぞれの王を立てることを宣言すると。
 各国の諸侯と民衆は次々に帝国になびいた、それでだった。 
 帝国は宣言してからすぐにイングランドとウエールズそれにアイルランドのかなりの部分を領有した。それでだった。
 久志はリバプールに向かう途中で仲間達に言った。
「やっぱり戦は政だな」
「まさにそうですね」
 順一が応えた。
「戦場で戦うのではなく」
「政で仕掛けてな」
「ことを進めていくものですね」
「だからな」
 それでというのだ。
「四国それぞれの王を立てるとしたのはな」
「正解でしたね」
「ああ、戦場で勝ってもな」
 例えそうなってもというのだ。
「まだ戦えるとかな」
「そう思い」
「また戦場で戦うとかな」
 そうした風に思ってというのだ。
「籠城したりしてな」
「戦が続きます」
「武力は必要でも」
「武力だけでことを収められるか」
「それには限界があってな」
 そしてというのだ。
「一度や二度もっと言えば何度もな」
「向かって来る相手もいます」
「しかし政だとな」
「戦わずしてです」
「こっちに入らせられることもある」
「ですから戦で勝つには」
「政だな」
 まさにそれだというのだ。
「それで勝つべきだな」
「左様です」
「今回もそうだな、敵の軍勢や城を攻めるよりも」
「政で攻めるべきです」
「本当にそうだな、今回も実感するぜ」
「これで一気にイングランドとウエールズ、アイルランドの領地が増えました」
 そうなったというのだ。
「四国のそれぞれの王様を立てる」
「その政策を採って正解でしたね」
「実際の王様の決定は後でもな」
 それでもというのだ。
「皇帝である俺が言ったからな」
「それ大きいよ」
 留奈が応えた。
「国の主しかも皇帝の言葉となるとね」
「重みが違うな」
「何しろ王様の上に立って」
「多くの国さえ治めるからな」
「王様は治める国は一つよ」
 留奈はこうも言った。
「自分の国だけよ、けれどね」
「皇帝はな」
「帝国の中にはね」
「複数の国だってあるな」
「一国の主でないのよ」
 皇帝はというのだ。
「それだけにね」
「その言葉も重いな」
「言葉であっても」
 口約束であってもというのだ。 
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