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【自作イラスト追加しました】ちゃちゃっと絵を描く能力で世界最強!~追放されたい俺を女神さまが放してくれない~

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ベッドの左右に美少女が

 こうして二日がかり、途中、宿に泊まりながらハゼルの町についた。
 夕方についたがために宿はほとんど埋まっており、それでも運がいい事に三人部屋が開いていた。
 ただ問題は俺達三人のうち二人が女の子で俺が男だった点だ。

 どうしようかと思っていると、

「では三人部屋でいいです」

 とクレアがさっさと決めてしまった。
 俺がいいの!? と驚いているとクレアと、そしてリセが振り返り、

「変な事をしたらそれなりの【責任】をとってもらうからいいわ」
「生まれてきたことを後悔するような、ね」

 とすごむように笑われた(リセの方が口に軽く手を当てていて、クレアより怖かった)ので、俺は絶対にそのような間違いはありませんと伝えたのである。
 そして比較的堅めのベッドでも疲れていたせいかよく眠れた。
 やがて窓の朝の光で俺は目が覚める。

 新しい日々が始まるのにいい天気である。 
 それに傍でいい匂いもするし柔らかくて暖かい何かがあって、俺はこのまま二度寝をしてしまいそうになった。
 だがそこで不意に横切る前世……ではなく、元の世界で読んだライトノベルなどの記憶。

 このパターンの場合、一緒にいる女の子が左右にいる可能性がある。
 実は、布団の塊だった、というオチで俺の気にしすぎならそれでいいのだが、先ほどから吐息も聞こえる。
 実は見知らぬおっさんが俺のベッドで眠っていて、この柔らかいものも中年腹かもしれない。

 俺は確認していないからその可能性はある。
 そう思いながらちらりと薄めで左右を確認する。
 サラサラの金髪と銀髪があさのひかりの中で輝いている。

 その持ち主を見るとやはりここ最近一緒にいる美少女に変わりはない。
 しかも目をとじて安心したように眠っていてすごく可愛い。
 だがこれが目を覚ましたらどうなるのだろう?

 様々な可能性が俺の脳裏に浮かび、どのルートを選んでも【死】以外の選択肢が見つからない。
 できれば二人して気づいて俺が眠っている内に、気づいてはなれてくれればいいというかそれが最善ではと思った。
 とりあえず、そう思って寝たふりをしていると、

「んん」
「ふうんっ」
「(ひいいいいいいいいいい)」

 そう寝ぼけたような彼女たちが二人そろって抱きついて来た。
 両方の腕に柔らかいものが当たる。
 待て、待って、逃げられない、というかどうすれば……と俺が目を瞑ったまま焦っていると、

「んんっ、クマのぬいぐるみにしては堅いわね……ん?」

 そこでクレアが目を覚ましたらしく俺に気づいたようだ。
 早く、早くどいてくれ、と俺が願っていると、俺の頭をクレアが撫でて、

「私のクマちゃんは黒かったかしら……って、ちが、なんでここにリョウが……そういえば昨日一緒の部屋……というかリセ、そんなに抱きついて!」
「私の猫ちゃん……す~す~……うへへ、いい匂い……」
「リセ、起きて、それは猫じゃないわ。猫吸いしている所じゃないの!」
「にゃ~にゃ~……なんだかいつもの猫ちゃんじゃないような~」

 どうやらリセは俺を、猫だと思っていたらしい。
 猫を吸うと癒されるのは分かるが、俺を間違えないでください、そう心の中で俺は泣いた。と、

「……これ、リョウじゃない。なんで私のベッドに……クレアも!」
「場所からしてリョウのベッドに入り込んだみたい。私はクマのぬいぐるみと間違えたけれど」
「私はうちの猫と間違えたわ。はあ……一瞬、トドメを刺そうと思ったけれど、危なかったわね」

 といった会話がされて俺は心の中で震えた。
 そしていつ俺は自分が目を覚まそうか考えていると、

「「それでいつ起きるの?」」
「はい!」

 寝たふりをしているのも二人にバレていたのだった。
 
 

 
後書き
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