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レーヴァティン

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第二百四話 口の形の違いその六

「湖も川もな」
「大動脈だな」
「ああ、地中湖や黒湖沿岸の商業も」
 これもというのだ。
「かなりな」
「栄えているな」
「それで帝国を潤しているからな」
「戦もだ」
「水運だな」
「それを使うとな」
「楽になるな」
 正に対しても言った、このことを。
「それじゃあな」
「そうしていくことだ」
「それじゃあな」
「そしてだが」
 正はさらに言った。
「俺としてはだ」
「考えがあるか」
「そうだ、騎士団も王国もしてこないと思うが」
 それでもという言葉だった。
「ゲリラ戦術にもな」
「ああ、あの戦い方か」
「気をつけていくことだ」
「民だと思っていたらな」
「実は敵兵でな」
 そうした者達でというのだ。
「後ろから攻撃してくる」
「それがゲリラ戦術だな」
「これはかなりいやらしい」
「だよな、民は攻撃しないけれどな」
 久志も仲間達もだ、だから彼等は民に対しては何があっても手を出すなと軍全体に厳しく言っているのだ。
「それを逆手に取ってな」
「民に紛れてだ」
 そのうえでというのだ。
「攻撃して来る」
「それあるからな」
「これをやられるとな」
「俺達もたまったものじゃないぜ」
「俺も民は手にかけない」
 一切とだ、正は言い切った。
「戦場で戦うなら兎も角な」
「モンスター退治にしてもな」
「そうしたことはするが」
 しかしというのだ。
「それでもだ」
「民は民でな」
「戦いはしない」
「そんな連中だとな」
「暴徒は動けなくする」
「術を使ってな」
「そうすればいいしだ」
 その時はというのだ。
「民に対してはな」
「やっぱり何もしないな」
「自国の民にもなるしな」
「そうだよな」
「しかしだ」
 それでもとだ、正はさらに言った。
「ゲリラ戦術をやるとな」
「その民に攻撃もしかねないな」
「民に紛れ込んで仕掛けてくるからな」 
 それがゲリラ戦術である、戦場で戦わず街や村でそうして戦い敵を心身共に消耗させる戦術である。
「厄介だ」
「それ今まで使われなかったけれど」
 双葉も言ってきた。
「やろうと思えばね」
「出来るからな」
「甲冑も軍服も脱いで」
 そうしてというのだ。 
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