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レーヴァティン

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第二百話 真の掌握その五

「そんな風だ、この世界に棲み処は見られない」
「それも一切」
「世界の何処を見てもです」
「そんなものは見当たりません」
「湖でも山でも」
「そして雲でも」
「一体何者か、中には雷や雪や炎を使う奴もいる」 
 そうした巨人達の話もした。
「あれはただ大きいだけではない」
「精霊の様なものでしょうか」
「そうした巨人達は」
「それはやはり普通ではありません」
「尋常なものではありません」
「具体的に何者かわからない」
 一切とだ、英雄はまた言った。
「だから余計に恐ろしいな」
「全くです」
「ただ巨大でかつ力が強いだけではありません」
「その正体が全くわからない」
「そのことも恐ろしいです」
「知らないものは恐ろしい」
 英雄はこの摂理も述べた。
「まさにな」
「その通りです」
「あの連中が何者かわからない」
「それが最も恐ろしいです」
「実に」
「そうだな、巨人共についてはこれからも調べていく」
 その巨人達をというのだ。
「いいな、そしてだ」
「わかればですね」
「そのわかってことを武器にする」
「そうしていきますね」
「知らないことは恐怖だが知ることは武器だ」
 今度はこう言った。
「だからいいな」
「はい、知っていきましょう」
「これからは」
「あの者達にも」
「ではな、それでは巨人共がまた出て来た時はだ」
 英雄はこの時のことも話した。
「いいな」
「上様そして他の十二人の方がですね」
「赴かれて」
「退治する」
「そうされますね」
「そうする、あいつ等と戦えるのは俺達だけだ」
 英雄は言い切った。
「それ故にだ」
「巨人達が出れば」
「その時はですね」
「すぐに赴かれますね」
「移動の術を用いて」
「報もだ」
 それもというのだ。
「巨人が出れば移動の術が使える者にさせているな」
「いなければ道具を用いて」
「一瞬で大坂に来てとなっています」
「災害と同じくです」
「そうなっています」
「そうだな、巨人と災害は即座に対しなければだ」 
 そうしなければというのだ。
「駄目だ、だから貝殻から話を聞いてもな」
「即座にですね」
「その場に行かれて」
「巨人達を即座に退治する」
「そうされますね」
「そうする、だからだ」
 それ故にというのだ。
「巨人共が出ればすぐに知らせろ」
「わかりました」
「その様にします」
「その時は」
「宜しくお願いします」
「ではな」
 英雄はこう言ってこの日の政を進めていった、そうしてそのうえで交代の時まで大坂にいてだった。 
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