ロックマンX~Vermilion Warrior~
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ロックマンXコマンドミッション
Mission:1 コマンドミッション
前書き
コマンドミッション書きます
新世代型レプリロイドの反乱から100年の年月が過ぎた。
地球は度重なるレプリロイドの反乱によって荒廃の一途を辿っていたが、先日太平洋に落下した鉱石・フォースメタル。
ハンターベースの天才の1人であるルナによる解析、そのエネルギーを使った新型エネルギー炉のシステマ・ルナの完成によるエネルギー不足等の解消など、永く激しい戦いで傷付いた地球はようやく懐かしい未来の姿を取り戻しつつあった。
「おや?アクセルにルナじゃないか?」
メンテナンスルームでデータの整理をしていたゲイトは意外な客に目を見開いた。
必要以外のメンテナンスを好まない2人。
しかしアクセルは未だに100年前の傷の件で問題を抱えており、ゲイトからすれば小まめなメンテナンスは寧ろ望むところなのだが。
そんな2人がここに何用なのか?
「メンテナンスを受けに来たんだよ。シグナスに頼んで今日から長期休暇を取ったからね…ちょっとした個人的な調べ物なんだよ。ゲイトは知ってるでしょ?ギガンティスじゃレプリロイド研究が盛んだって」
「俺も一緒にギガンティスに行くんだ。アクセルだけだと、少し心配だからさ。データ収集に長けた奴も行った方が良いだろ?」
「ふむ、確かにギガンティスはフォースメタルが落下してからレプリロイド研究が盛んになり、コピー能力を持ったレプリロイドの再開発も秘密裏されていると聞いているよ。しかし、たかが噂だろう?」
それだけの理由でS級ハンターのアクセルがハンターベースからいなくなるのはハンター側からすればかなりの痛手ではないだろうか?
「うん、噂だよ。でも火のない所からは煙は立たないって言うじゃない。念のためにだよ…あんなことがまたあったらいけないからね」
100年前の事件は未だにアクセルにとって忘れることの出来ない物だ。
あれがまた繰り返されることなどあってはならない。
「アクセル…そうか…分かった。じゃあメンテナンスを始めるよ、長期間受けられないかもしれないから何時もよりメンテナンスの時間は長くなるよ」
「分かってるよ」
「ああ、そうだ。行くのならいくつかの装備とフォースメタルを持っていくといい。備えあれば憂いなしさ」
「ありがとう、助かるよ」
2人は長時間のメンテナンスを終えると、ギガンティスに向かうための装備を整えて2人はギガンティスの調査に向かった。
そしてアクセルとルナがギガンティスに調査に向かってから数日後、ギガンティスで反乱組織・リベリオンによる反乱が起きた。
極東司令塔責任者兼連邦政府軍司令官・リディプス大佐から指令を受けたイレギュラーハンターのエックス、ルイン、ゼロ、シャドウの4人がギガンティスに潜入することになった。
「今回君達に与える任務は、人工島ギガンティスに侵入し、イレギュラー・イプシロン率いる反乱組織・リベリオンの活動を阻止することだ」
リディプスの言葉を聞いて彼の前に立ち並ぶ4人のハンター達の表情は歴戦の戦士のそれであった。
「諸君らより先に上陸したチームの反応は完全に消え、全滅したと考えられる。君達が最後の希望だ。この作戦に失敗すれば我々は、ギガンティス全土の無差別攻撃という非常手段を取らざるを得ない」
“無差別攻撃”
この単語にエックスが僅かに表情を揺るがせたことに気付いたのはエックスとは100年の付き合いであるゼロとルインのみであった。
「残念ながら、イプシロンの所在は不明だ。…ただ…ある廃墟に、気になるエネルギー反応を感知した。まずはギガンティスに潜入次第、そこを調べてもらいたい」
「了解しました」
強行偵察チームのリーダーであるエックスがそう返す。
出撃前に準備を万端にしておかなければならない。
シャドウは既にメンテナンスを受けていたらしく、シャドウと別れてメンテナンスルームに向かう。
「ギガンティスへの潜入捜査か、君達をギガンティスに投入するなんてリディプス大佐も本気のようだね…」
ゲイトもエックス達の話を聞いて真剣な表情を浮かべている。
「それにしてもタイミング悪いよね、潜入任務が得意なアクセルが不在の時に反乱が起きるなんて」
「仕方ないさ、シグナスもアクセルの休暇を認めたんだからな」
コピー能力を持ち、潜入捜査などを得意としているアクセルがいないのは今回の任務ではかなりの痛手だが、総監であるシグナスが認めているのだから仕方ない。
「さて、それじゃあエックスのアーマーを潜入捜査用の新型アーマーに換装してしまおう。ゼロは元忍び部隊隊長でルインもステルス能力を持ったアーマーに換装出来るけれどエックスにそんな能力はないからね」
「ああ、頼むゲイト」
「任せてくれ、それにしても昔はこんな風に充実した日々を迎えられるなんて思わなかったなあ。」
早速調整に向かったゲイトが呟く。
研究者時代は優秀過ぎるが故に同僚や上司と言った者達から嫌悪されており、もしルインと会わずに彼女に引き抜かれなければきっと別の人生を歩んでいたことだろう。
口には出さないが、ゲイトはゲイトなりに今の生活は気に入っているので最大限の協力は惜しまないつもりだ。
しばらくしてエックスは新型の潜入捜査用アーマーに換装し、ギガンティスに向かうまでに新型アーマーとそれに対応したバスターのスペックを把握することになる。
「それからこれはルナが君達にと残していった物だよ」
エックス、ゼロ、ルインに渡される蒼、紅、朱の3つのフォースメタル。
「このフォースメタルは?」
エックスが蒼いフォースメタルを見つめながらゲイトに尋ねる。
「まずはエックスはXハート、ゼロはZEROシフト、ルインはRエレメント。Xハートはエックスの回復力を高めて戦闘不能のダメージを受けても一度だけ復帰させる能力がある。ゼロのZEROシフトは弱い攻撃を無力化し、ルインのRエレメントは全ての属性防御能力を高めてくれる」
「本当に!?ありがとうゲイト!」
「礼はルナに言ってやってくれ」
アーマーを換装すると弱点が発生してしまうルインからすればありがたい能力だし、近接戦闘に特化しているためにダメージを受けやすいゼロの場合は弱い攻撃でも無力化してくれるのはかなり大きい。
エックスのフォースメタルも戦闘不能になるダメージを受けても一度だけでも復帰出来るのはかなりありがたいだろう。
この場にいないルナに感謝である。
早速3人は専用フォースメタルを拡張スロットに入れて装備する。
「フォースメタルには装備したレプリロイドの秘められた力を解放することが出来るらしい。この事件で君達がどんな滅茶苦茶を起こすのか楽しみで仕方ないよ。ちゃんとデータは採って僕に渡すんだよ」
「一気にありがたみが無くなったぞ」
ゲイトの好奇心に満ちた視線を真っ向から受けたゼロは苦々しい表情を浮かべ、エックスとルインは苦笑した。
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