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星河の覇皇

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第七十七部第二章 第二次国境会戦その五十

「そうです、そしてそれは」
「私もわかっているつもりです」
「私もです」
 マクレーンも劉もこう答えた。
「軍事のことなので」
「軍人として」
「そうですね、そして勝った方とです」
 オムダーマンでもティムールでもというのだ。
「連合は国交を樹立し交流を結びますが」
「その相手はですね」
「今は決まっていないですね」
「そうなります、しかし負けた方は」
「オムダーマンでもティムールでもね」
「その時は」
「はい、どうなるかですが」
 この話もするのだった。
「マウリアに亡命するか」
「連合か」
「我が国か」
「それはです」
 どうかというのだ。
「わかりませんが若しシャイターン主席が連合に入るなら」
「ティムールが敗れ」
「そうして」
 二人の元帥は今飲んでいるワインの残りを楽しみつつ述べた。
「シャイターン主席が連合に入るなら」
「政府の要人達と共に」
「それならばです」
 まさにというのだ。
「彼はその野心と謀略をどう使うか」
「それがですね」
「問題ですね」
「そう思います」
 こう言うのだった。
「一国の主になるかそれとも」
「中央政府に入り」
「その頂点を目指すか」
 二人の元帥達も話した。
「そうなるかはですね」
「わからないですね」
「どうにも」
「このことは」
「はい、わからないです」
 シャイターンの動向がというのだ。
「その危険な謀略と野心が連合にとって悪くない方に行けばいいですが」
「あの御仁は謀略家ですし」
「それも手段を選ばない」
 梟雄と言われるだけあってというのだ。
「だからですね」
「あの御仁が連合に入れば」
「その時は」
「危険なものにならなければいいですね」
「そう考えています、あの御仁は野心家です」
「サハラの皇帝になろうとしているだけに」
「それだけに」
「はい、アッディーン大統領と違って積極的になろうとしています」
 サハラの皇帝、それにというのだ。
「一介の傭兵隊長から皇帝です」
「そこまでなろうとしているだけに」
「それだけにですね」
「野心もかなりで」
「手段を選ばない謀略家とあっては」
「しかも極めて優秀なので」
 シャイターンの資質の話もした。
「危険です」
「放置は出来ないですね」
「とても」
「そうです、連合に来るならば」
 それならというのだ。
「非常にです」
「ではその時は」
「どうされますか」
「市民が選ぶことです」
 主権者である彼等がというのだ。 
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