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レーヴァティン

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第百九十四話 江戸の街と城その三

「海の魔神ちゅうのは恐ろしい力を持っちょるのう」
「龍でさえ石に変えるのだからな」
「そうぜよ、まさに神ぜよ」
「魔神であってもな」
「恐ろしい力の持ち主なのがわかるぜよ」
「龍はこの世界でも強い」
 他の世界の伝承にある通りにというのだ。
「並の冒険者では何人いても太刀打ち出来ない」
「レベル八十位じゃしのう」
「巨人に匹敵する」
 その強さたるやというのだ。
「その連中ですらだ」
「石に変えて海に沈めたならのう」
「恐ろしい奴だ、それはわかる」
「それだけじゃのう、わかるのは」
「逆に言えばな、兎に角だ」
「その魔神をぜよ」
「俺達は倒すことになる、今はだ」
 浮島の統一を進めている現状はというのだ。
「その為の力をな」
「手に入れている最中ぜよ」
「そうなる、俺達だけでなくな」
「多くの兵もあってぜよ」
「戦える、十三人だけではな」
 自分達だけではというのだ。
「おそらくな」
「勝てんぜよ」
「だから多くの兵も必要と考えてだ」
 それも優れた装備と質のだ。
「統一を進めているが」
「果たして魔神の力どれ程か」
「この世界の殆どを石にして海に沈めるまでだからな」
「そう考えるとな」
 耕平も今は真面目な顔だ、そのうえでの言葉だ。
「果たして統一してな」
「多くの兵を加えてもな」
「勝てるか」
 それはというのだ。
「本当にな」
「そう考える時があるな」
「ほんまにな」
 こう英雄に話した。
「それがしもな」
「不安になるな」
「どうしてもな、しかしな」
「それでもだ」
 英雄はさらに言った。
「力はだ」
「必要やな」
「どうしてもな、そして今はな」
「江戸の街に行ってな」
「実際に街を観てだ」
 そうしてというのだ。
「城にもだ」
「入ってな」
「観る」 
 その様にするというのだ。
「これからな」
「そやな、それと風がな」 
 耕平は今吹いたそれの話もした。
「やっぱり強いな」
「からっ風だな」
「それやな、ほんまこの風はな」
「強いな」
「この風が厄介やからな」
「乾燥している冬に特に強く吹いてだ」
「もうそれがな」
 まさにというのだ。
「火事のな」
「元凶になる」
「乾燥している時に強い風が吹いたら」
「しかも冬は暖を取る」
「火が只でさえ多いわ」
「だから江戸は火事が多い」 
 この浮島の江戸もというのだ。
「しかも大火事だ」
「それになるな」
「実際にこの浮島でも頭痛の種になっている」 
 江戸の街のだ、尚歴史でこの街は火事だけでなく地震にも悩まされてきている。幾度も災厄に見舞われた街でもあるのだ。 
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