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レーヴァティン

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第百九十二話 港を見てその七

「全てそのままだ」
「手に入れたいですね」
「江戸は間違いなく東国一の街だからな」
「豊かなことは」
「都や大坂に匹敵する」
「名古屋よりも上ですね」
「そこまで豊かならな」
 それならばというのだ。
「是非だ」
「無傷で手に入れて」
「そしてだ」
「より発展させますね」
「そうしたい、そのことも考えていく」
「それでは」
「確かに江戸城とその城下町をそのまま手に入れれば」
 どうかとだ、良太も言う。
「大きいですね」
「そうだな」
「都や大坂の様な街をもう一つ手に入れるのですから」
「これは大きい」
「江戸の大名とどうしていくか」
「こちらに入るならだ」 
 それならとだ、英雄は良太に答えた。
「そのままの地位いや幕府としてもだ」
「重く用いますね」
「かなり出来た者の様だしな」
「それでは」
「そしてだ」
 英雄はさらに話した。
「江戸を拠点にな」
「関東を治めていきますか」
「ひいては東国の政の要にしたい」
 その地域全体のというのだ。
「そうもしたい」
「それだけの街ですね、江戸は」
「小田原や鎌倉もあり」
 そしてというのだ。
「横須賀や横浜もいい港町だが」
「要はですね」
「やはり江戸だ」 
 この街だというのだ。
「あの街こそだ」
「東国の政の要に相応しい」
「地理的にもな、だから出来ればな」
「江戸城と江戸の街は無傷で手に入れる」
「そうしたい、その手筈をな」
「整えますか」
「もう今すぐにでもだ」
 東国に兵を進める前にというのだ。
「手に入れたい位だ」
「では江戸の大名と話をしますか」
 良太は英雄の話を聞いて提案した。
「そうしますか」
「そうだな」
 理由も拒まなかった、それで言うのだった。
「ここは」
「それでは」
「そしてだ」
「東国に本格的に出陣する前に」
「江戸を手に入れて治める様にしてだ」 
 そのうえでというのだ。
「戦の時にな」
「江戸からですね」
「東国全体を攻めることもな」
「考えられますか」
「そうするか、では江戸はな」
 この城そして街はというのだ。
「今からだ」
「幕府に取り込む」
「そうしていこう、幸い東国も群雄割拠でだ」 
 それぞれの勢力に分かれていてというのだ。
「小勢力ばかりでな」
「争っている」
 幸正が言ってきた。 
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