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レーヴァティン

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第百九十一話 東国のことその五

「肉だけでなくな」
「卵もですね」
「そちらも多く作らせて」
「そうしてですね」
「多く売らせ」
「そして民達の誰にも食べさせますね」
「そうする、卵だけでなく肉もな」
 こちらもというのだ。
「そうしてもらうが」
「それでもですね」
「その為にもな」
 まさにというのだ。
「これまで以上にだ」
「鶏を育てさせる」
「左様ですね」
「百姓達に」
「そうしていきますか」
「そして売らせる」
 その肉や卵をというのだ。
「骨までな」
「ああ、骨もですね」
「それも使えますね」
「内臓も食えますし」
「そちらも」
「この島では内臓も食うが」
 それでもというのだ。
「食わない者も俺の起きた世界ではだ」
「いますか」
「鳥の内臓を」
「そうなのですか」
「トリは食ってもだ」
 即ち鶏をだ。
「ドリ、内臓はな」
「食わない」
「そう言っていたのですか」
「上様が起きられた世界では」
「かつてはな、毒があると言ってな」
 鶏の内臓にはだ。
「しかしそれはだ」
「違いますね」
「毒なぞありません」
「むしろ滋養にいいですね」
「鶏の内臓は」
「どの生きものも内臓は身体にいい」
 食うと、というのだ。
「牛や豚もな、魚もな」
「左様ですね」
「魚の内臓も美味です」
「特に肝は」
「独特の美味さがあります」
「確かに河豚の様に毒のあるものもいるが」
 それでもというのだ。
「大抵の生きものはな」
「左様ですね」
「内臓も食えます」
「しかも美味く」
「滋養にいいです」
「だからだ」
 その為にというのだ。
「民達にはだ」
「内臓も食ってもらう」
「そちらも」
「そして骨もですね」
「骨からはいいダシが出る」
 そう使えるというのだ。
「だからだ」
「それで、ですね」
「鶏は全て食う」
「そうしますね」
「そして他の家畜も」
「そうだ、そして民はさらにだ」
 そうした肉だけでなくというのだ。 
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